柳沢吉保 (水戸黄門の登場人物)

『水戸黄門』における柳沢吉保：悪役としての変遷

柳沢吉保は、長寿時代劇『水戸黄門』において、水戸光圀一行の前に立ちはだかる悪役として、その名を刻んでいます。史実とは異なる脚色を加えられながらも、各シリーズで様々な陰謀を企て、光圀を苦しめる存在として描かれています。

各部における柳沢吉保

山形勲が演じた柳沢吉保（第1部～第3部、第14部～第15部、第17部～第18部）
初期のシリーズでは、山形勲が演じる柳沢吉保が登場します。彼は、各地の悪徳商人や藩の重役と結託し、私腹を肥やしたり、藩の取り潰しを画策します。水戸藩の乗っ取りを企てたり、薩摩藩の取り潰しを画策するなど、大胆な策略を巡らせますが、最終的には光圀によって阻止されます。第3部では隠居に追い込まれますが、後に復活し、再び光圀の前に立ちはだかります。

橋爪淳が演じた柳沢吉保（第29部～第31部、第35部、第38部）
橋爪淳が演じる柳沢吉保は、徳川綱吉の信任を利用し、光圀を隠居に追い込むなど、より狡猾な策略を用いるようになります。以前と同様に水戸藩の乗っ取りを企てるなど、執念深い一面も見せます。しかし、最終的には光圀によって悪事が暴かれ、失脚します。

石橋蓮司が演じた柳沢吉保（第39部～第41部、第43部、最終回スペシャル）
石橋蓮司が演じる柳沢吉保は、老獪な策士として描かれています。藤井紋太夫と再び手を組み、光圀を陥れようとしますが、やはり失敗に終わります。最終回スペシャルでは、顔見せ程度の出演となり、物語の本筋には深く関わりません。

その他の柳沢吉保
水戸黄門2015年スペシャルでは田中健が、BS-TBS版では袴田吉彦が柳沢吉保を演じました。袴田吉彦が演じた柳沢吉保は、史実通り側用人という設定で描かれました。

史実との相違点

ドラマにおける柳沢吉保は、史実とは異なる点がいくつか存在します。例えば、ドラマでは光圀との政争に敗れて隠居する場面がありますが、実際には綱吉の死後まで権勢を保っていました。また、ドラマでは老中首座として描かれることが多いですが、実際には側用人であり、老中には就任していません。年齢設定も異なり、ドラマでは光圀とほぼ同年代として描かれることが多いですが、実際には綱吉よりも10歳以上年下でした。

柳沢吉保が登場しない部

第20部から第24部までは、堀田備前守が柳沢吉保に代わる政敵として登場します。また、第42部では大久保加賀守が政敵として登場しました。

まとめ

柳沢吉保は、『水戸黄門』において、光圀一行の前に立ちはだかる悪役として、様々な形で描かれてきました。史実とは異なる点も多いですが、その存在は物語に深みを与え、光圀の正義を際立たせる役割を果たしています。

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