柳澤理志

柳澤理志：囲碁の道を切り拓き、魅力を伝える棋士

柳澤理志（やなぎさわ さとし）は、1988年生まれ、日本棋院中部総本部所属の囲碁棋士です。六段。長野県出身で、吉岡薫九段門下として腕を磨きました。彼は、囲碁の実力はもちろんのこと、YouTubeでの積極的な情報発信を通じて、囲碁の普及に大きく貢献しています。

プロ入りまでの道のり

6歳で父親から囲碁を教わったのが、柳澤が囲碁を始めるきっかけでした。9歳の時に出場した大会での上位入賞を機にプロを意識するようになり、小学6年生の時には少年少女囲碁大会の全国大会に出場。しかし、1回戦で当時小学3年生の村川大介に敗れたことが、より高いレベルを目指す転機となりました。小学校卒業後、単身で名古屋に渡り、吉岡薫に師事。院生としてプロ入りを目指し、厳しい研鑽を積みました。

中学校卒業後は高校に進学せず、囲碁に専念。2003年の中部棋士採用試験では首位となりました。しかし、2004年度の入段は叶わず、翌年の採用試験に「プロになるか、死ぬか」という覚悟で臨み、見事合格。2005年4月1日に17歳で入段を果たしました。

棋士としての活躍

入段後、柳澤は着実に棋力を向上させ、2009年には第35期天元戦で自身初の七大棋戦本戦入りを果たしました。2016年には五段、2021年には六段へと昇段しています。

YouTubeでの活動

2018年1月頃から、柳澤は他の棋士に先駆けてYouTubeでの動画投稿を本格的に開始しました。自身の対局の解説や詰碁・手筋の問題、古碁の棋譜紹介、他の棋士との対談など、初心者からアマチュア高段者まで楽しめる幅広いコンテンツを提供しています。その内容は多岐にわたり、囲碁の技術的な側面だけでなく、囲碁の歴史や文化、棋士のライフスタイルなど、様々な角度から囲碁の魅力を伝えています。

国際的な活動

柳澤は、国際的な囲碁の普及活動にも積極的に参加しています。2018年夏には、イタリアのピサで開催されたヨーロッパ碁コングレスに日本棋院から派遣され、参加者の碁の講評や多面打ち指導碁などを行いました。2023年7月には、アメリカのオハイオ州で開催されたアメリカ碁コングレスに派遣され、石の重い・軽いのテーマについての講義や国際親善ペア碁などを行いました。

アイドルへの囲碁指導

2021年には、名古屋市を拠点に活動するアイドルグループOS☆Uのメンバーである夏川愛実らに囲碁を指導する企画を開始しました。大会に出場できるレベルまで成長させることを目標に、熱心な指導を行っています。

囲碁の魅力を伝える伝道師

柳澤理志は、その卓越した棋力と、YouTubeなどのメディアを通じた積極的な情報発信によって、囲碁の普及に大きく貢献しています。彼の活動は、囲碁ファンだけでなく、これまで囲碁に触れたことのなかった人々にも、囲碁の魅力を伝えるものとして、高く評価されています。今後の更なる活躍が期待される、注目の棋士です。

昇段履歴
2005年4月1日 入段
2007年 二段
2009年 三段
2013年 四段
2016年1月1日 五段
2021年1月1日 六段

出演番組
* 囲碁フォーカス（NHK Eテレ、2024年4月-） - 講師

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