柳澤管楽器

柳澤管楽器株式会社は、明治29年（1893年）に柳澤徳太郎によって創業された、日本のサクソフォーン専門メーカーです。その始まりは、軍が輸入した軍楽隊の楽器の修理を手掛けたことでした。戦時中は楽器工場としての役割を担い、昭和26年（1951年）に柳澤孝信が楽器製作を志し、サクソフォーンの試作を開始しました。

現在では、フランスのヘンリー・セルマー・パリ、日本のヤマハと並び、サクソフォーンの世界三大メーカーの一つとして広く認知されています。

沿革

柳澤管楽器は、創業以来、数々の革新的なサクソフォーンを開発してきました。

1954年（昭和29年）：初のテナー・サクソフォーン「T-3」を製作
1956年（昭和31年）：アルト・サクソフォーン第1号「A-3」を発表
1965年（昭和40年）：アルト・サクソフォーン「A-5」を発表
1966年（昭和41年）：テナー・サクソフォーン「T-5」を発表
同年、LowAキー付きバリトン・サクソフォーン「B-6」を発表
1968年（昭和43年）：ソプラノ・サクソフォーン「S-6」、ソプラニーノ・サクソフォーン「SN-600」をそれぞれ完成

これらの開発により、ソプラニーノからバリトンまでをラインナップする、日本有数の管楽器メーカーとしての地位を確立しました。

1979年（昭和54年）には日本初のカーブドソプラノ・サクソフォーンを、1985年（昭和60年）には世界初のデタッチャブルネックのソプラノ・サクソフォーンを発表するなど、常に時代の先を行く高い技術力を世界に示しています。

素材へのこだわりも強く、1992年（平成2年）には管体（ネック、胴部）に銀を使用した9930シリーズ、1998年（平成10年）には管体に銅の配合比を高くした992シリーズ、1999年（平成11年）には管体総銀製の9937シリーズを発表しました。また、表面処理にも工夫を凝らし、ピンクゴールドプレートなどの多様なラインナップを展開しています。

2014年（平成26年）にはアルト・サクソフォーンWOシリーズを、2015年（平成27年）にはテナー・サクソフォーンWOシリーズを発売。その後もソプラノ・サクソフォーン、バリトン・サクソフォーン、カーブドソプラノ・サクソフォーンのWOシリーズを発売予定です。

サクソフォーンの付属品として、エボナイト及びメタル製のマウスピースやリガチャー（魔法のリガちゃん）、自社製品用とセルマー製品用にサムレスト及びサムフック（サムの魔法使い）も製造しています。メタル製マウスピースとサムの魔法使いには、管体と同様にゴールドやピンクゴールドのメッキ製品も用意されています。

販売網

日本国内では、「プリマ・ヤナギサワ」ブランドで総合卸商社のプリマ楽器が販売を担うことが多いですが、ゼンオンも取り扱いをしています。海外での評価が非常に高く、生産本数の大半は北米やEU諸国など世界各国への輸出が占めています。海外の需要に合わせて、日本国内にはない仕様のモデルも存在します。アメリカ合衆国およびカナダでの販売は、コーン・セルマーが担当しています。

関連項目

プリマ楽器
全音楽譜出版社
* コーン・セルマー

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