柳生家厳

柳生家厳：戦国を生き抜いた武将

柳生家厳（やぎゅう いえよし）は、明応6年（1497年）に生まれ、天正13年（1585年）に没した戦国時代から安土桃山時代にかけての武将です。彼は大和国柳生荘を治め、大和柳生城主であったとも伝えられています。また、剣豪として名高い柳生宗厳（石舟斎）の父としても知られています。

柳生氏の出自

柳生氏は大和国の土豪であり、多くの剣豪を輩出した家柄です。菅原氏一門（播磨国の赤松氏と同族ともされる）と自称していました。柳生氏に関する記録が明らかになるのは南北朝時代で、柳生永珍が元弘の変の際に笠置山に立て籠もった後醍醐天皇を助けたため、鎌倉幕府から所領を没収されたとされています。幕府滅亡後、永珍の実弟で笠置寺の僧侶であった中坊源専が、恩賞として柳生荘を返還され、以後、柳生氏は柳生の国人として勢力を拡大していきました。

戦国時代の動乱と柳生家厳

室町幕府が衰退した応仁の乱の後、天文5年（1536年）には、畠山氏の重臣であった木沢長政が信貴山に城を構え、大和国攻略を開始しました。家厳は木沢長政に従い、筒井氏や二木氏らと戦いました。しかし、木沢長政は管領細川晴元、三好長慶と対立し、天文11年（1542年）に河内太平寺の戦いで敗死。その後、筒井順昭が木沢残党を次々と攻略し、柳生氏の居城である子柳生城も攻められました。家厳は筒井氏に降伏し、臣従することで家名の存続を図りました。

その後、大和に三好長慶の重臣である松永久秀が進出すると、家厳は松永久秀に寝返り、大和攻略戦で活躍しました。しかし、三好長慶が死去すると、松永久秀と対立した三好一族や筒井順昭らが衝突し、合戦となります（東大寺大仏殿の戦い）。家厳は久秀方に付き、東大寺大仏殿もこの時焼け落ちました。松永久秀が織田信長に従属し大和に攻めこんだときにも、久秀に属して筒井順慶を攻めました。

後に筒井氏も信長に降り、大和の戦乱は収まりました。家厳はこの直後、家督を宗厳に譲り、隠遁したとされています。

宗厳との年齢差

柳生宗厳は家厳が31歳の時の子と伝えられています。当時としては、家厳はすでに壮年期に入っていましたが、この時期の家厳の動静については詳しい記録が残っていません。

柳生家厳は、戦国の動乱期を生き抜き、柳生氏の家名を存続させるために、時には主君を変えながらも勢力を維持しました。その生涯は、激動の時代を生きる武将の姿を映し出しています。

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