柴宿

柴宿の歴史と概要

柴宿（しばしゅく）は群馬県伊勢崎市の柴町に位置していた宿場町で、日光例幣使街道の一部として重要な役割を果たしていました。倉賀野宿から数えて三つ目に位置し、宿場町としては比較的小規模でしたが、その周囲には加宿という付随的な宿場町が連なり、全体で14町余りの規模を形成していました。これは地域の交通の要所としての重要性を示しています。

宿場町の構成

柴宿には本陣が一軒、脇本陣が一軒、旅籠が10軒ありました。特に本陣は代々関根甚左衛門が管理しており、地域の重要な拠点となっていました。この宿場町の問屋場は、柴宿自体と加宿の中町・堀口で10日ごとの持ち回りで運営されていました。そのため、地域住民は交互に宿場の維持に関与し、宿場町を支えていました。

具体的には、1790年代から1800年代初頭の資料によれば、柴宿は107戸、431人が住んでおり、宿石高は約730石に達していました。更に遡ると、天明年間（1781-1788年）には219戸、805人、宿石高は約803石であったことが記録されています。このように、しばしば宿泊そのものよりも通過地点として利用されていたものの、1865年には例幣使の宿泊記録も残っているため、一定の利用価値があったことが窺えます。

宿場町の歴史的背景

柴宿の宿場町は、1780年代に形成されたと考えられています。この地域の日光例幣使街道は当初一直線でしたが、1729年に柴宿が北に移転されたことにより、周囲の中町・堀口との間に枡形状の構造が生まれました。このように宿場町の成立時期が明確であることは珍しく、都市計画に基づいて設計された特徴的な宿場町であるとされています。

周辺の歴史的名所

柴宿にはいくつかの歴史的な名所も存在します。例えば、1815年に建設された関根家本陣は、1970年代初頭に解体されましたが、その塀と門は現在も残っており、伊勢崎市の指定史跡として保存されています。また、雷電神社古墳は6世紀から7世紀にかけて作られた円墳で、神社がその上に設けられています。柴町八幡神社は利根川沿いに位置し、源頼義が前九年の役の際に祈願したとされています。この社は1613年に前橋藩主でもある酒井忠世によって建立され、歴史的な価値を有しています。

隣接する宿場

日光例幣使街道を基準にすると、柴宿の近くには五料宿（五料関所）、太田宿、境宿といった周辺宿の存在があり、地域の交通網において重要な役割を果たしていました。

このように柴宿はその小規模さにもかかわらず、周辺の宿場町とのつながりや歴史的背景を持ちながら、独自の進化を遂げた宿場であったことがわかります。

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