柴幸男

柴 幸男（しば ゆきお）

概要

柴幸男は1982年11月3日生まれの日本の脚本家および演出家であり、劇団ままごとの主宰者として知られています。また、青年団演出部にも所属しています。彼は独自の視点や演出手法で、現代の演劇シーンにおいて重要な役割を果たしています。

来歴

愛知県一宮市に生まれた柴は、脚本家を目指す決意を固め、高校時代には演劇部に参加しました。愛知県立名古屋西高等学校で演劇に触れ、そこで初めて台本の執筆を始めました。その後、日本大学芸術学部放送学科に進学。在学中の2004年には、作品『ドドミノ』が第2回仙台劇のまち戯曲賞を受賞し、彼の名が広がるきっかけとなりました。

2009年には青年団の劇団内ユニットである青年団リンクとして、劇団ままごとの旗揚げを行います。彼が演出した初演作品『わが星』は、ラップを活用した斬新な演劇として評価され、2010年に第54回岸田國士戯曲賞を受賞しました。この作品は、その後も多くの再演を経て、演劇界での地位を確立しました。

2014年には、”若者の視点”を取り入れた改訂版『わたしの星』が高校生キャストによって再演され、同世代の観客にも強くアプローチしました。柴幸男は平田オリザの影響を受けつつ、彼のスタイルを進化させ、演劇に新しい要素を取り入れてきました。

演出スタイル

柴は、ループやサンプリングといった概念を演劇に持ち込み、従来の枠を超えた作品を創作しています。たとえば、全篇にわたって出演者が歩き続ける『あゆみ』や、大家族の生活を一人芝居の形式で表現している『反復かつ連続』など、新しい手法によって観客に日常の断片を鮮やかに描き出しています。これらの作品は、観客に深い印象を与え、演劇の可能性を広げるものとなっています。

活動の広がり

2015年には文化庁文化交流使として中国に派遣され、国際的な演劇交流にも積極的に関与しています。2016年からは多摩美術大学で演劇舞踊デザイン学科の講師を務め、後進の育成にも力を入れています。

さらに、彼はテレビドラマの脚本も手がけており、2017年にはテレビ東京のドラマ24『下北沢ダイハード』第6話において脚本を担当しました。これにより、彼の作品は演劇だけに留まらず、幅広いメディアでの表現による影響力を発揮しています。

著作

代表作には『わが星』があり、これは2010年に白水社から出版されています（ISBN 978-4560080689）。この作品は柴自身の演劇活動を象徴する重要な作品であり、彼の演出スタイルやテーマを理解する上で欠かせない一冊です。

まとめ

柴幸男は、その革新的なアプローチによって現代演劇に新しい風を吹き込んでいます。彼の作品は、観客に新たな視点を提供し、演劇の可能性を広げる重要な役割を果たし続けています。これからの彼の活動にも大いに期待が寄せられています。

もう一度検索