柴田是真

柴田是真（しばた ぜしん）

柴田是真（文化4年2月7日（1807年3月15日） - 明治24年（1891年）7月13日）は、漆工芸と絵画において顕著な業績を残した日本の芸術家です。彼は江戸時代末期から明治時代にかけて活躍し、革新的な技術とスタイルで漆の世界に新たな風を吹き込みました。彼の作品は、特に蒔絵を利用したものが多く、国内外で高く評価されています。

幼少期と学び

越後出身の宮彫師の子として生まれた是真は、初期に商家に養子入りしました。11歳の頃からは初代古満寛哉のもとで蒔絵を学び、その後に文晁の書に影響を受けつつも、自身のスタイルを確立しました。彼は16歳の時に四条派の絵を学び始め、「令哉」の号を得ました。この号は、師匠である南嶺と先代の古満寛哉からの影響を受けたものです。

教えと修行

天保元年（1830年）、是真は京都に遊学し、岡本豊彦のもとで四条派の技術を深めました。この時期に得た知識や技法は、彼の後のキャリアにおいて非常に重要な役割を果たします。また、この時期の彼の活動は彼の作品に多くの影響を与えました。

職人としての成長

帰京の後、彼は多くの蒔絵作品を手がけ、1840年代からはその名声も高まりました。特に、蒔絵の革新に寄与し、青海波塗などの技法を復活させるなど、彼の手法は技術的にも創造的にも新たな潮流を作り出しました。さらに、内国勧業[[博覧会]]への出品も行い、技術と芸術性の高さで広く評価されました。

晩年の活動と貢献

明治時代には、数多くの重要な作品を残し、彼の作品は日本の美術界において重要な位置を占めるようになりました。特に1873年のウィーン万国[[博覧会]]では「富士田子浦蒔絵額面」が進歩賞を受賞し、その名声を国際的にも広めました。明治中期には、皇居の杉戸絵なども手がけ、皇室との関わりも強まりました。

影響と評価

日本の漆工界において彼の作風は、日本国内にとどまらず、海外でも高く評価されました。作風は軽妙洒脱で、ジャポニズムの影響も受けたものとして、欧米人にも親しまれました。また、彼の弟子たちにも多くの影響を与え、さらなる漆の発展に寄与することとなりました。

代表作と技術

是真の代表作には、「富士田子浦蒔絵額」や「蓮鴨蒔絵額面」などがあります。彼は蒔絵技法を駆使し、色彩豊かな作品を制作しました。特に彼の作品は、油彩独特の艶やかさを模したものが多く、漆器としての技術の限界を超えた画的特性を持ち合わせています。

最後の時

1891年に亡くなった際、浅草今戸の称福寺に葬られ、「弘道院釈是真居士」と名づけられました。彼の作品と影響は、今なお美術の分野で評価されています。彼の業績は後世の芸術家にも大きなインスピレーションを与え、日本の伝統工芸の発展に寄与し続けています。

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