柴田礼能

柴田 礼能（しばた れいのう）

概要

柴田礼能は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、大友氏の家臣として知られています。彼は熱心なキリスト教徒であり、イエズス会においては「柴田リイノ」と呼ばれています。また、槍の名手として「豊後のヘラクレス」という異名を持つ人物でもありました。ここでは、彼の生涯や功績について詳しく見ていきましょう。

生涯

柴田氏の本姓は橘氏であり、彼は豊後国大野郡の国人として大友氏に仕官しました。柴田家が初めて歴史に登場するのは、天正6年（1578年）のことで、この年に戦死した「柴田何右衛門尉」という人物があり、彼が礼能の一族であったと推測されています。

戦闘での活躍

天正8年（1580年）には、田原親貫の乱を鎮圧するための安岐城の攻略に参加し、後に田原氏を継いだ大友宗麟の次男・親家の補佐としても活躍しました。礼能は旧臣との交渉を通じて、田原氏の支持を得ることに成功しました。さらなる成長を遂げた彼は、天正10年（1582年）には府内の万寿寺の寺社領を宗麟の嫡男である義統から没収された際、武家屋敷を与えられるとともに、本格的に府内の公事を手がける重要な地位を任されることとなります。

武功の数々

その後も、さまざまな戦闘で武功を挙げ、天正12年（1584年）には大友氏の家紋である杏葉紋の使用も許可され、名実ともに大友氏の一族として認められました。天正14年（1586年）3月には、島津氏による豊後侵攻が勃発し、礼能の子である統勝は、豊臣秀吉に救援を求めるために大坂へ向かう宗麟に同行しました。この時、宗麟は「天徳寺」と号し、礼能もその名を与えられることとなったのです。

最期と家族の悲劇

後に、島津軍による攻撃を受けた丹生島城での籠城戦では、宗麟とともに防衛に努めましたが、兄上の紹安が裏切る結果となり、兄弟の忠誠が疑われました。これに深く恥じた礼能は、親子で同族を呼び戻そうとし、城を出たところ、伏兵に遭遇し戦死を遂げてしまいました。宗麟は彼の死を大変悔やみ、涙を流したと伝えられています。

参考文献

赤神諒 『大友の聖将』 角川春樹事務所、2018年7月14日 ISBN 978-4758413268
外山幹夫 『大友宗麟』 吉川弘文館、1977年 ISBN 4642051392

柴田礼能の生涯は、彼の武勇だけではなく、信仰心や忠義の大切さを教えてくれるものでもあります。彼の活躍は、今も多くの人々に影響を与え続けています。

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