柴田駿

柴田駿：日本映画界に多大な貢献を果たした実業家

柴田駿（しばた はやお）は、1940年12月12日に大阪府で生まれ、2019年12月11日に慢性閉塞性肺疾患により78歳で逝去した、日本の実業家です。彼は特にフランス映画社の創設者としてその名を知られており、日本における映画文化の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと映画界への足跡

東京外国語大学で学んだ後、柴田は映画の世界へと足を踏み入れました。1965年、ユニフランス・フィルムに勤務していた際に、映画プロデューサーの川喜多和子と出会います。1966年には川喜多と同棲を開始し、その後結婚。1967年、川喜多は柴田が主催するフランス映画社に入社しました。そして、1968年、二人は共同でフランス映画社を会社として設立しました。この会社は、後の日本映画界に大きな影響を与えることになります。

フランス映画社での活動

柴田はフランス映画社の社長として、数々の巨匠たちの作品を日本に紹介しました。テオ・アンゲロプロス、ビクトル・エリセ、ヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュ、侯孝賢など、世界的に評価の高い監督たちの作品を配給し、日本の観客に多様な映画体験を提供しました。特に、ジャン＝リュック・ゴダールとは個人的な親交も深く、『勝手にしやがれ』や『気狂いピエロ』といったゴダールの旧作のリバイバル上映を含め、数多くの作品を日本に紹介しました。また、大島渚や柳町光男といった日本人監督の作品を海外に紹介するなど、国際的な映画交流にも尽力しました。

国際的な活動と晩年

柴田は、映画配給だけでなく、国際的な映画祭でも活躍しました。1990年の第43回カンヌ国際映画祭、1994年の第44回ベルリン国際映画祭では審査員を務め、その見識と情熱は国際的にも高く評価されました。しかし、2014年にフランス映画社が破産すると、柴田は表舞台から退き、静かな晩年を過ごしました。

受賞歴と功績

2009年には、その長年の映画界への貢献が認められ、第18回日本映画批評家大賞で国際活動賞（田山力哉賞）を受賞しました。柴田駿の活動は、日本の映画ファンに世界の名作を届けただけでなく、日本の映画文化の国際的な発展にも大きく貢献しました。彼の情熱と功績は、今後も映画史に深く刻まれることでしょう。

外部リンク

* Hayao Shibata - IMDb（英語）

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