査継佐

査継佐（さ けいさ、1601年 - 1676年）は、明朝末期に生きた文人であり、字を伊璜（いこう）、号を与斎と称しました。彼は杭州府海寧県の出身で、父は査爾翰でした。貧しい家庭に育ちましたが、その才能により1633年（崇禎6年）に科挙の郷試に合格し、挙人の地位を得ました。

1644年、明朝が滅亡すると、査継佐は自ら軍を率いて浙東地区で抵抗運動を展開しましたが、1646年（順治3年）に清朝軍によって陥落しました。その後、彼は「左尹」と改名し、「非人」という号を使い、隠遁生活を送るようになりました。しかし、彼は隠遁生活の中で、各地で講義を行ったり、史書の編纂など文人としての活動を続けました。

康熙二年（1661年）、湖州府帰安県の庶民である荘允誠が、病死した息子廷鑨（ていりゅう）が著した『明史』を刊行しました。しかし、この『明史』は禁書であったため、荘允誠は捕らえられ処刑されました。査継佐は、この『明史』の校正者として関与しており、署名にも名を連ねていたため、一時は死の危機に瀕したと伝えられています。さらに、いくつかの資料から、査継佐が荘允誠親子を密告した可能性も指摘されています。

張岱の著書『快園道古』によると、査継佐は『明史』連名の件を知った後、間もなく提督学政（あるいは学政、学道、正三品）に報告したとされています。この功績により、査継佐は有司から荘氏の財産と産業の半分を与えられたとされています。

査継佐は、文人として多くの著書を残しました。代表的なものとしては、『罪惟録』、『国寿録』、『魯春秋』、『東山国語』、『班漢史論』、『続西廂』などがあります。これらの著書は、彼の思想や歴史観、文学的な才能を示しています。

また、査継佐は武俠小説の大家である金庸（本名：査良鏞）の先祖としても知られています。その血筋は、後の時代にも文学や文化に大きな影響を与え続けています。

このように、査継佐は、明末清初という激動の時代を生き抜いた文人であり、政治的な変動の中でその立場や行動は変化したものの、文人としての活動を続けた人物でした。彼の生涯は、当時の社会情勢や文化、文学を考察する上で重要な示唆を与えてくれます。また、彼が残した著作や、子孫への影響は、歴史的に大きな意味を持つものと言えるでしょう。

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