柿 (樅型駆逐艦)

駆逐艦「柹」の概要

「柹」（かき）は、大日本帝国海軍に属する駆逐艦で、樅型駆逐艦の7番艦にあたります。この艦名は、同名の橘型駆逐艦「柿」が存在するため、初代艦として「柿 (初代)」という表記も用いられます。艦艇の編制において、柹は特に重要な役割を果たしました。

艦歴

「柹」は、1919年2月27日に浦賀船渠で起工され、1919年10月20日に進水し、1920年8月2日に竣工しました。その後、1932年には第一次上海事変に参加し、揚子江水域の作戦に従事しています。

1940年に除籍され、同年11月には雑役船として編入され、海軍兵学校の付属練習船として利用されることとなりました。この際には前部の魚雷発射管が撤去され、艦尾には新たな甲板室が設けられました。その他の兵装は一時的に残存しましたが、1944年までに撤去されました。

1945年2月23日には、同じく「柿」と呼ばれる橘型駆逐艦との混同を避けるため、「大須」と改名されました。終戦を迎えると、「大須」はそのままの状態で残り、日本本土を襲った台風により江田内の鷲部海岸に座礁する事態に至ります。この座礁は、アメリカ軍が進駐した際に確認され、10月にもそのままであったことが記録されています。その後、艦は解体されました。

艦長

「柹」の艦長にはさまざまな人物が就任しました。艤装員長として小山泰治少佐が1919年11月1日から任命され、駆逐艦長としては最初に1920年8月1日から小山少佐が、続いて原精太郎少佐が1920年12月1日から1921年11月1日まで指揮を執ります。その後の艦長には中田操、大尉が1941年11月1日から1921年12月1日までなど、多くの艦長が続きます。艦長リストには、それ以外にも伊藤長少佐、松永貞市少佐、相馬正平少佐など、名だたる人物の名前が並んでいます。

参考文献

資料の収集には、海軍制度沿革や日本海軍史、さらには海軍歴史保存会による文献、また他の著作物が用いられています。これらは「柹」及びその艦歴を知る上で価値のある情報源となっています。また、「日本駆逐艦史」の特集号や、福井静夫の著作なども参照されます。

「柹」は、日本の海軍の歴史において忘れられない存在となっています。艦艇は戦争の荒波を乗り越え、一つの時代を象徴する艦船として、多くの人々の記憶に刻まれています。

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