柿川

柿川（かきがわ）

新潟県長岡市を流れる柿川は、信濃川水系に属する一級河川であり、その全長は11.154km、流域面積は13.3km²に及びます。

概要

柿川は、長岡市南東部の標高約550m地点にある南蛮峠付近を源流とし、市内を流れて信濃川へと合流します。合流地点には柿川水門と柿川排水機場が設けられており、水量の調整が行われています。また、上流部では柿川から分岐し、栖吉川へと合流する全長1.7kmの新柿川が存在します。

冬季には、柿川の水量不足を補うため、信濃川から最大4m³/sの水を導入する施設が稼働しています。この施設は、除雪作業を円滑に進めるために、雪捨て場として利用される柿川の流量を確保する目的があります。逆に、柿川の洪水時には、信濃川へ最大3m³/sの排水を行う機能も備えています。

柿川放水路

柿川は、長岡市街地を縫うように流れているため、過去に何度も水害を引き起こしてきました。特に、2011年7月の新潟・福島豪雨では大規模な浸水被害が発生しました。これらの災害を受け、新潟県は柿川放水路事業を計画し、金房地区から太田川へ放水する全長1.35km、最大流量9m³/sの放水路を建設しました。この放水路は2019年3月23日に竣工し、洪水時には越流堤を超えた水が放水路へ流れ込む仕組みとなっています。

イベント

2019年4月以降、柿川沿いの桜並木を夜間にライトアップする取り組みが開始され、長岡市青年会議所が中心となって、沿道でのイベントも企画・実施されています。これにより、地域住民の交流と地域活性化に貢献しています。

灯籠流し

毎年8月1日には、長岡空襲の犠牲者を慰霊する灯籠流しが追廻橋から一之橋周辺で行われます。この行事は、平和への願いを込めた地域の伝統行事として、多くの人々に親しまれています。

歴史

江戸時代、柿川は長岡船道という水運の拠点として栄え、川沿いは大変賑わっていたと伝えられています。しかし、一時期はゴミの不法投棄や排水流入により、川の汚染が進んでしまいました。その後、下水道の整備や1970年代以降のゴミ回収作戦によって、水質は大きく改善されました。

1968年には新柿川の掘削工事が行われ、1969年12月からは市営駐車場が開設されましたが、1983年に廃止。跡地は車道拡幅に利用され、同時に「柿川リバーサイド・プロムナード整備事業」によって遊歩道が整備され、市民の憩いの場として利用されています。

その他

柿川は、福島江と立体交差しており、周辺には栖吉川も流れています。柿川に関する詳しい情報は、長岡市立科学博物館のガイドブックや、長岡市危機管理防災本部のホームページなどで確認できます。

また、柿川放水路事業に関する情報やパンフレットは、新潟県長岡地域振興局地域整備部や長岡市政ライブラリーで公開されています。

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