栃勇義治

栃勇義治（とちいさみ よしはる）は、1947年10月2日に青森県南津軽郡田舎館村で生まれました。本名を阿保鉄雄といい、春日野部屋に所属した元大相撲力士です。身長177cm、体重115kgという体格で、左四つを得意とし、押しと吊りを武器に土俵で活躍しました。

中学生の頃から相撲を始め、同郷の栃ノ海に憧れていました。中学校卒業後、栃ノ海の姉の紹介で春日野部屋に入門し、1963年3月場所に初土俵を踏みました。入門後は押し相撲の指導を受け、1969年7月場所に新入幕を果たしました。

しかし、立合いの鋭さに欠けていたため、幕内では苦戦を強いられました。1972年9月場所で右肩を負傷してからは不振が続き、翌年9月場所には幕下まで陥落しました。1975年1月場所に十両に復帰し、その後5年間十両で取り続けましたが、幕内復帰は叶いませんでした。

1979年11月場所限りで引退しましたが、引退まで十両に54場所在位し、当時の十両在位最多記録となりました（後に、大潮と蜂矢が55場所まで更新）。引退後は年寄・岩友を襲名し、2012年10月に停年退職するまで、春日野部屋の部屋付き親方として後進の指導に尽力しました。

通算成績は607勝590敗23休、勝率.507。幕内成績は64勝85敗16休、勝率.430でした。現役在位は101場所、幕内在位は11場所です。各段優勝は、十両優勝が1回（1976年5月場所）、幕下優勝が1回（1967年9月場所）です。

改名歴として、初土俵から1963年5月場所は本名の阿保鉄雄、1963年7月場所から1969年11月場所は栃勇鉄雄、1970年1月場所から引退までは栃勇義治を名乗りました。年寄としては、1979年11月から1980年1月まで岩友義治、1980年1月から2012年10月までは岩友吉宏を名乗りました。

栃勇義治は、その粘り強い相撲と、後進の指導に尽力した姿勢で、多くの人々に記憶される力士でした。

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