栄進堂

株式会社栄進堂：鉄道模型から競走馬へと続く成功物語

1967年5月設立の株式会社栄進堂は、大阪府大阪市中央区に本社を置く企業です。当初は鉄道模型の製造・販売を手掛けていましたが、現在は競走馬の所有を主軸とした事業展開を行っています。

鉄道模型事業：世界最小のTゲージ

栄進堂は、軌間3ミリメートルのミニチュア鉄道模型シリーズ『Tゲージ』で一躍注目を浴びました。2006年7月の東京おもちゃショーで発表されたこのシリーズは、2008年から販売開始され、2011年5月時点では量産化されている鉄道模型としては世界最小を誇っていました。緻密な技術と独創的なデザインで多くの愛好家を魅了し、玩具メーカーのバンダイとも取引を行うなど、成功を収めました。しかし、2010年夏には香港の鉄道模型メーカーに販売権を売却し、わずか4年で鉄道模型事業から撤退する決断をしました。

競走馬所有：栄進堂の新たな地平

鉄道模型事業からの撤退後、栄進堂は競走馬の所有に事業の主軸を移しました。その活躍は目覚ましく、数々の重賞競走、そしてGI級競走の優勝馬を輩出しています。

三代の平井家と栄進堂

栄進堂の成功には、創業者の平井豊光氏とその息子たち、宏承氏、克彦氏の貢献が欠かせません。平井豊光氏は、2013年3月2日に逝去するまで代表取締役会長を務め、その手腕で会社を牽引しました。宏承氏は2010年時点で代表取締役社長を務め、克彦氏は現代表取締役社長として、それぞれ会社を支えています。

馬主としても、彼らは大きな成功を収めました。独自の勝負服のデザインと、かつては「エーシン」、現在は「エイシン」という冠名で多くの競走馬を所有、数々の栄光を掴んできました。2009年には所有馬の名義を平井宏承氏から株式会社栄進堂に変更し、組織としての馬主活動に注力する体制を構築しました。地方競馬においても、平井豊光氏、宏承氏、克彦氏に加え、豊光の弟である泰男氏も馬主として活動しています。

数々の活躍馬

栄進堂は、多くの競走馬を所有し、数々の輝かしい戦績を残してきました。GI級競走優勝馬であるエーシンフォワード、エイシンヒカリを始め、数々の重賞競走優勝馬を輩出しています。エーシンフォワードは2010年のマイルチャンピオンシップを制覇し、GI級競走初制覇という偉業を達成しました。また、2013年にはJRA史上初の同一馬主4連勝という記録も達成するなど、その勢いはとどまることを知りません。

まとめ

株式会社栄進堂は、鉄道模型というニッチな分野から、競走馬の所有という全く異なる分野へと事業を転換し、両分野で大きな成功を収めた稀有な企業です。創業者の平井豊光氏のビジョンと、その息子たちによる継続的な努力が、栄進堂の現在の隆盛を築き上げてきたと言えるでしょう。その歴史は、日本の経済界、そして競馬界においても、記憶に残るものとなっています。

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