栗林町

香川県高松市中心部、郵便番号760-0073に位置する栗林町（りつりんちょう）は、住居表示に関する法律に基づき、一丁目から三丁目まで区分されている地域です。特に一丁目には、国の特別名勝に指定されている日本庭園「栗林公園」があり、国内外から多くの観光客が訪れる名所として広く知られています。

地理的には、高松市役所から南へ約1.6キロメートルの距離にあります。町の範囲は、西側を栗林公園、北側を栗林公園とJR高徳線の線路、東側をことでん琴平線の線路や県道280号高松香川線および市道、南側を市道花ノ宮木太線、市道観興寺1号線、そして再び栗林公園によって区画されています。

町内は丁目ごとに異なる特色を持っています。一丁目は、稲荷山や紫雲山に面した広大な栗林公園が大部分を占めます。中央通り沿いには、事務所や一般の住宅のほか、病院やマンションなどが混在する賑やかな景観が見られます。また、田町商店街から続く旧街道である市道丸亀町栗林線や県道280号沿いには、昔ながらの風情を残す下町型の商店街が形成されています。二丁目と三丁目は、主に下町型の住宅街として発展しており、アパートや一戸建ての民家が密集する中に、近年建設された高層マンションも見られます。二丁目には市立栗林小学校が、三丁目には栗林病院といった公共・医療施設も立地しています。

2010年の国勢調査によると、当時の栗林町の人口は3,312人（男性1,552人、女性1,760人）で、1,609世帯が暮らしていました。面積は約47万5千平方メートル、人口密度は約6,970人/km²となっています。公立の小中学校の通学区域については、町内の全域が栗林小学校および桜町中学校に指定されています。

都市計画における用途地域は、町の機能に合わせて細かく定められています。中央通りや県道160号高松港栗林公園線、市道丸亀町栗林線に囲まれた区域や、これらの主要道路沿いは、容積率400%の商業地域に指定され、商業活動の中心となっています。三丁目の一部（7番から10番の街区）は、容積率200%、建ぺい率60%の第一種住居地域として、良好な住環境が保たれています。これら以外の地域は、容積率300%、建ぺい率80%の近隣商業地域に指定されており、住宅と商業施設が混在する地域です。一方、栗林公園の区域は、用途白地地域のうち一般・環境保全型（山地部）に区分され、容積率80%、建ぺい率50%と、公園の緑地環境を保護するための厳しい制限が設けられています。

栗林町の歴史は、もともと香川郡栗林村の一部であったことに始まります。1921年（大正10年）11月1日、栗林村が高松市に編入された際、村内の大字上村は五つの区域に分割され、その一つとして「栗林町」が新設されました。その後、町域は何度か変遷を経ており、1958年（昭和33年）には桜町の一部が編入されました。さらに、1964年（昭和39年）の住居表示制度の実施に伴い、桜町、室町、花ノ宮町、中野町、藤塚町の各一部が栗林町に組み込まれ、現在の町域と一丁目から三丁目までの区分が確立されました。

このように、栗林町は香川県のシンボルともいえる栗林公園を核としながら、商業地域、住宅地域、文教施設、医療機関などが調和して存在する、高松市を代表する多様な魅力を持つ町です。

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