校尉

校尉（こうい）とは

校尉とは、前漢以降の中国と、律令制下の日本に置かれた武官の官職です。

漢の校尉

漢の制度では、将軍が兵を率いる際に部や曲が設けられました。部には校尉（官秩比二千石）と軍司馬（官秩比千石）が配置され、校尉が部を率いました。部には曲が置かれ、軍候（官秩比六百石）が率い、曲の下には屯があり、屯長（官秩比二百石）が配置されました。

また、城門校尉、中塁校尉、屯騎校尉、歩兵校尉、越騎校尉、長水校尉、射声校尉、虎賁校尉といった八校尉や、胡騎校尉、司隷校尉、西域副校尉（城門校尉から西域副校尉まで、官秩は比二千石）、後漢末の西園八校尉など、高級武官の名称にも「校尉」が使われています。これらの高級武官は、将軍配下の校尉とは異なり、都尉という名称が中央の高級武官と地方の郡に属する者で意味合いが異なるのと似ています。

現代の中国人民解放軍や中華民国国軍では、佐官に相当する階級に「校」の文字が用いられていますが、これは校尉に由来します。旧満洲国軍でも同様に佐官に「校」が用いられました。これは、漢語の「佐」が「補佐する」という意味合いを持つため、部隊長や指揮官の称号としては不適切であるという考えがあるためです。

日本の校尉

日本では、軍団の中で200人を率いる部隊長（現代の中隊長クラス）が校尉とされていました。これは二百長とも呼ばれました。

現代の日本では、「校」が付く軍事階級は存在しませんが、士官を「将校」と呼ぶなど、いくつかの言葉にその名残が見られます。

参考文献

『漢書』巻19上百官公卿表上
『続漢書』（『後漢書』合刻）百官志一

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