根ヶ山光一

根ヶ山光一について

根ヶ山光一（ねがやま こういち、1951年3月29日生まれ）は、日本の著名な発達心理学者であり、早稲田大学人間科学学術院の名誉[[教授]]です。彼は発達行動学を専門とし、母子間の関係に特に注目しています。

略歴

香川県に生まれた根ヶ山氏は、1973年に大阪大学文学部哲学科を卒業した後、1977年に同大学の大学院に在籍するものの博士課程を中退します。1992年には「マカカ属霊長類における母親の子に対する攻撃行動と子の離乳に関する研究」で大阪大学から博士（人間科学）の学位を取得しました。

彼は1977年から1986年まで大阪大学人間科学部の助手を務め、その後武庫川女子大学で講師及び助[[教授]]として活動しました。その間に、文学部・家政学部・生活環境学部といった多様な学問領域に関与しました。1996年からは早稲田大学人間科学部で助[[教授]]、そして1998年から教授として勤務し、2004年には学術院制度の導入に伴い早稲田大学人間科学学術院の教授となります。2021年には名誉[[教授]]の称号を得ました。

また、彼は1991年、2001年、2010年にイギリス・エディンバラ大学の客員研究員として働き、2012年からはストラスクライド大学、2014年からはフランスのトゥールーズ大学で客員[[教授]]として経験を重ねました。さらに、2018年以降はNPO法人保育・子育てアドバイザー協会の理事長、2020年からは乳幼児医学・心理学会の理事長を務めています。

研究分野

根ヶ山氏の研究は、母子間のネガティビティのポジティブな機能に注目し、子育ての議論が中心に偏りがちであることに対する問題意識からスタートしています。彼は母子関係を双方の身体性を基にした主体性の相互作用として捉え、子別れのテーマを追求してきました。この過程で、アロマザリング（アロケア）という概念を取り入れ、母子の「遠心性」の問題についても積極的に発信を続けています。

さらに、彼は霊長類の種間比較や文化比較を実施し、日英比較研究や沖縄の離島での研究も行っています。これにより、子育てにおける親子間や子どもと周囲の大人との関係像を探求し、相互主体的な共生について模索しています。離乳に関する時代の変化や、母子保健行政と母親の育児行動との関連についても関心を持っています。彼は1990年に発達科学研究教育奨励賞、2006年に発達臨床研究賞、2007年にはこども環境学会賞論文賞など、多くの賞を受賞しています。

著書

根ヶ山氏は多数の著作を発表しています。主な著書には以下があります。

• - 『発達行動学の視座＜個＞の自立発達の人間科学的探究』（2002年、金子書房）
• - 『〈子別れ〉としての子育て』（2006年、日本放送出版協会）
• - 『アロマザリングの島の子どもたち　多良間島子別れフィールドノート』（2012年、新曜社）
• - 『「子育て」のとらわれを超える』（2021年、新曜社）
• - 『Parent-infant centrifugalism and centripetalism: Overcoming the prison of 'parenting' 』（2022年、早稲田大学出版）

また、共編著としても多くの著書があり、発達心理学の研究分野に多大な貢献をしています。彼の研究は、母子間の理解を深めるだけでなく、育児や教育に関する新たな視点を提供しています。

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