根上博

根上 博について

根上博（ねがみ ひろし、1912年8月3日 - 1980年6月7日）は、北海道の余市町出身の著名な日本の競泳選手です。彼は立教大学を卒業し、主に1930年代に水泳界での成功を収めました。特に彼は1936年のベルリンオリンピックに日本代表として参加し、その名を世界に知らしめました。

経歴と選手としての活動

根上は余市町立大川小学校時代に水泳を始め、旧制余市中学校で本格的に競泳選手としての道を歩みました。彼は全国大会にも参加しますが、予選での敗退が続きました。しかし、1931年に立教大学に入学すると、徐々に実力をつけていきます。

1934年、根上は第10回日本選手権水泳競技大会において、男子1500m自由形で優勝を果たし、途中計時の1000mで新しい世界記録を樹立しました。同年の全国学生水上競技大会では、400mと800m自由形で当時のライバル、牧野正蔵と競い合い、いずれも2位となるものの、800mでのタイムは世界新記録を更新しました。彼の競技生活の中でも特に印象的な瞬間ではないかと思います。

次の1935年には日米対抗水上競技大会で日本新記録を樹立し、数々のメダル獲得に貢献しました。特に男子1500mではアメリカのジャック・メディカと接戦を演じ、最終的に見事1位となるなど、その実力を証明しました。その後、彼は男子800mフリーリレーでチームメートや当時の強豪選手と共に新たな世界記録を樹立します。

ベルリンオリンピックとその後

ベルリンオリンピックでは、日本代表として400m自由形に出場し、4分53秒6という記録で5位に入賞しました。当時の日本水泳界はメダリストを多く輩出していたため、この結果は期待されたほどの注目を集めることはありませんでしたが、彼自身は前年の記録樹立後にスランプに陥る等、難しい時期を経てのオリンピック出場だったことも影響したのでしょう。

1939年には大日本帝国陸軍に所属し、ノモンハン事件を経験します。このかつての戦闘では根上が戦死したとの誤報が流れ、アメリカから弔電を受け取るなどドラマティックな出来事もありました。その後、第二次世界大戦を挟んで、彼は1956年のメルボルンオリンピックで女子水泳選手団の監督として活躍し、1961年には日本水泳連盟の理事長に就任しました。

根上の生涯は、北海道出身の競泳選手にとっての先駆者としての意味を持つものでもあります。彼の活躍により、その後の世代に続く優秀な選手たちが次々と登場することになりました。具体的には、田中雅美や佐藤久佳といった著名なオリンピック出場選手が後に続くこととなります。

まとめ

根上博は、激しい競技の世界の中で数々の記録を打ち立て、多くの人々に影響を与えた競泳のレジェンドです。彼の業績は今でも多くの水泳ファンに語り継がれており、日本の競泳界が現在の形に成長する土台を築いた選手の一人といえるでしょう。

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