牧野正蔵

牧野 正蔵について

牧野正蔵（まきの しょうぞう）は、1915年5月15日に静岡県浜名郡鷲津町（現在の湖西市）で生まれた日本の競泳選手です。彼は1932年ロサンゼルスオリンピックにおいて1500メートル自由形で銀メダルを獲得し、1936年のベルリンオリンピックでは400メートル自由形で銅メダルを獲得しました。また、彼は400メートルおよび800メートル自由形で世界記録を樹立したことで、名を馳せました。

学校時代と初期のキャリア

牧野は吉津尋常小学校（現在の湖西市立鷲津小学校）を卒業し、旧制静岡県立見付中学校（今の静岡県立磐田南高等学校）を経て、早稲田大学商学部に進学しました。学校時代には水泳競技に取り組み、1931年には大阪築港プールで開催された全国中等学校水上競技大会で800メートル自由形の世界新記録を出しました。この記録は10分16秒6というもので、彼の名声を高めるきっかけとなりました。

1932年、彼はロサンゼルスオリンピックに出場し、1500メートル自由形において見事に銀メダルを勝ち取ります。この成功は、その後の競技人生における大きなステップとなりました。さらに、1936年のベルリンオリンピックでも400メートル自由形に挑み、銅メダルを獲得します。これにより、彼は国際的なスイマーとしての地位を確立しました。

競技生活の後

早稲田大学を卒業した後、牧野は日本窒素肥料に入社しましたが、戦後は電通に転職し、名古屋支社の支配人などを務めました。また、名電広告社の社長も歴任し、さまざまな業界で活躍しました。

競技生活を離れた後も、牧野は日本水泳連盟の技術指導委員として活動を継続しました。彼は自由形中長距離コーチとして、古橋廣之進や橋爪四郎など、多くの選手を指導しました。その指導力は高く評価され、1975年には紫綬褒章を受章しました。

思い出と影響

牧野の母校である湖西市立鷲津小学校の校歌には「ロスアンゼルスの日章旗」という歌詞があります。このフレーズは、ロサンゼルスオリンピックにおける彼と宮崎康二の金メダル獲得を称えるものです。2012年には、湖西市市制40周年を記念して、牧野と宮崎の顕彰式が行われるなど、地域の名士としての地位を確立しています。

牧野正蔵は、水泳競技における功績だけでなく、指導者としての経験を通じて、日本の水泳界において重要な影響を与え続けています。彼の業績は日本の水泳史において、特に中長距離自由形競技の分野において高く評価されており、彼の名は今なお語り継がれています。

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