根來泰周

根來泰周について

根來泰周（ねごろ やすちか）は、1932年7月31日に生まれ、2013年1[[1月4日]]に亡くなった日本の検察官、弁護士です。最終階級は正三位。

東京高等検察庁検事長を最後に検察官を定年退官した後、弁護士として活動を開始。その後、公正取引委員会委員長、日本野球機構コミッショナーなど、多岐にわたる分野で活躍しました。その経歴は、法曹界にとどまらず、行政、スポーツ界にも大きな影響を与えたと言えるでしょう。

生い立ちと学歴

根來氏は和歌山県和歌山市の出身で、和歌山県立向陽高等学校を経て、京都大学法学部を卒業しました。在学中に司法試験と国家公務員I種試験に合格し、法曹の道に進みました。この事からも、学生時代から非常に優秀であった事が伺えます。

検察官としてのキャリア

1958年4月、司法修習を終えた根來氏は、札幌地方検察庁検事に任官されました。その後、函館地方検察庁検事正、法務大臣官房長、法務省刑事局長、法務事務次官などを歴任し、1993年12月には東京高等検察庁検事長に就任しました。1995年7月に定年退官するまで、検察官として数々の事件に関わり、日本の司法に貢献しました。

検察官退官後の活動

検察官退官後、1996年8月には公正取引委員会委員長に就任し、2002年7月30日に定年退官しました。その後は電通、NTT、大日本印刷、三菱ウェルファーマ（現・田辺三菱製薬）など、数々の企業の監査役を務めました。

2004年2月には、日本野球機構コミッショナーに就任。プロ野球界の発展にも尽力しました。2007年1月にはコミッショナー代行となり、2008年6月に退任しました。

仏教への造詣

根來氏の生家は浄土真宗本願寺派の寺であり、自身も僧侶の資格を持っていました。浄土真宗本願寺派玄妙寺住職、浄土真宗本願寺派特別審事・監正局長を務め、仏教にも深い造詣がありました。好きな言葉は、親鸞聖人の教えを表した「平生業成」だったそうです。

プロ野球コミッショナーとしての活動

2004年、プロ野球再編問題が発生。根來氏はコミッショナーとして対応に当たりましたが、野球協約の不備を理由に積極的な問題解決に努めなかったとして、批判を浴びました。しかし、その後、労使交渉では、新規参入の条件緩和や有識者会議の新設を提案し、ストライキ回避に尽力しました。結果的にストライキが決行され、一度は辞任を表明したものの、後任が決まるまで慰留され留任しました。

在任中は、ドーピング検査の実施や暴力団排除など、野球競技の健全化にも貢献しました。また、アジアシリーズの創設や、黒い霧事件で永久追放処分を受けた池永正明氏の復権を認めるなど、球界に大きな功績を残しました。

ドラフト問題への取り組み

プロ野球再編問題の際には、「私には権限がない」と発言していた根來氏でしたが、裏金問題を発端とした希望枠撤廃からの一連のドラフト改正においては、積極的に独自案を提示するなど、問題解決に尽力しました。

プライベート

根來氏は、半世紀以上にわたる阪神タイガースファンとしても知られており、コミッショナー就任前には、応援団「東京狂虎会」に所属していました。非常に熱心なファンであったことが伺えます。

著作

根來氏は、著書や論文も多数発表しています。主なものとして、『賭博事件裁判要旨集』や『道路交通関係法令主要裁判例集』などがあります。また、「文書関係事犯について」「選挙罰則適用上の若干の問題」「司法試験の現状と問題点」といった論文も発表しています。

まとめ

根來泰周は、検察官、弁護士、公正取引委員会委員長、日本野球機構コミッショナーと、様々な分野で活躍した人物です。その多才ぶりと、困難な問題にも果敢に立ち向かう姿勢は、多くの人々に影響を与えました。また、熱心な阪神タイガースファンであり、仏教にも造詣が深いという一面も持っていました。2013年1[[1月4日]]、肺がんにより81歳で亡くなりましたが、その功績は今もなお語り継がれています。

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