根占献一

根占献一について

根占献一（ねじめ けんいち、1949年生まれ）は、日本を代表するルネサンス文化史と思想史の研究者として知られています。学習院女子大学の名誉教授であり、現在は星槎大学の非常勤講師として活躍しています。彼の専門は広範であり、西洋の歴史や文化、特にルネサンスの時代に関する理解を深めるための多くの研究を行っています。

学歴と背景

彼は熊本県で生まれ、玉名市立玉名中学校や熊本県立熊本高等学校を経て、早稲田大学第一文学部に進学しました。この大学では主に西洋史を学び、その後、早稲田大学大学院に進みました。大学院では、歴史家鈴木成高やドイツ近代史の専門家村岡晢、西欧中世志の権威である野口洋二の指導を受けました。彼は文学博士として早稲田大学を卒業し、その後、研究活動を本格化させます。

研究の焦点

彼の研究は、江戸時代における自らの系譜を背景に持ちながら、特に加治木島津家とその歴史に注目しています。名字の由来である鹿児島県の歴史も探求対象の一つです。さらに、彼は中世の豪族である根占氏やその直系の人物、特に幕末・明治初頭に影響を与えた小松帯刀についても深い関心を寄せています。

彼の研究の中で特に注目されるのは、イエズス会の布教活動に関連した東西文化・思想の交流です。ルネサンスの概念を超える多様な視点から、彼はその広がりを追求しています。

受賞歴

根占献一は学術活動において数々の賞を受賞しており、その中でも第20回マルコ・ポーロ賞は特に著名です。この賞はイタリア外務省とイタリア文化会館が主催し、彼の業績が広く認められた証です。また、学習院大学での定年退職に際し、安倍能成学術賞を受賞しました。

主な著作

彼の著作は多岐にわたり、特に人文主義に関する研究が彼の専門性を際立たせています。以下は彼の主な著書です：

• - 『イタリア・ルネサンスの霊魂論』（編著・編訳）
• - 『ロレンツォ・デ・メディチ - ルネサンス期フィレンツェ社会における個人の形成』
• - 『東西ルネサンスの邂逅 - 南蛮と禰寝氏の歴史的世界を求めて』
• - 『フィレンツェ共和国のヒューマニスト - イタリア・ルネサンス研究』
• - 『共和国のプラトン的世界 - イタリア・ルネサンス研究　続』
• - 『ルネサンス精神への旅 - ジョアッキーノ・ダ・フィオーレからカッシーラーまで』
• - 『イタリアルネサンスとアジア日本 - ヒューマニズム・アリストテレス主義・プラトン主義』
• - 『ルネサンス文化人の世界 - 人文主義・宗教改革・カトリック改革』

翻訳業務

彼は著作だけでなく、翻訳や共訳の活動においても積極的に貢献しています。著名な作品には、P.O.クリステラーの『イタリア・ルネサンスの哲学者』や、カッシーラーの『シンボルとスキエンティア』などがあります。これらの作品は日本のルネサンス研究に重要な影響を与えており、彼の業績は広範囲にわたる学問的な評価を受けています。

根占献一の研究と友情は、ルネサンスの理解を促進するための重要な貢献をしており、彼の業績は今後の研究者たちにとっても貴重な参考資料となるでしょう。

もう一度検索