根室フットパス

根室フットパス：根室の自然と歴史を歩く

根室フットパスは、北海道根室市に位置し、厚床、初田牛、別当賀の3つの地域を結ぶ、総延長約42.5kmのフットパスです。このフットパスは、豊かな自然、広大な酪農風景、そして地域の歴史が融合した魅力的なコースを提供しています。

3つの個性的なパス

根室フットパスは、以下の3つのパスで構成されています。

厚床パス（約10.5km）: 起伏が少なく、歩きやすいコースです。富岡牧場の築拓キャンプ場や伊藤牧場の酪農喫茶などのスポットがあります。旧標津線跡や植民軌道跡など、歴史的な遺産も点在しています。厚床の地名は、アイヌ語の「ニレの木が生え出る場所」を意味する「アッ・トコ・トー・ペッ」に由来します。
初田牛パス（約13.5km）: 村島牧場や小笠原牧場の農産加工体験施設などがあり、酪農体験ができます。丹頂鶴を観察できる場所や、知床・国後を一望できるエリアもあります。初田牛の地名の由来には、「葡萄を採る場所」を意味するアイヌ語の「ハッ・タ・ウシ」と、「水が深くよどんでいる場所」を意味する「ハッタル・ウシ・イ」の2つの説があります。
別当賀パス（約18.5km）: 海岸沿いの牧草地を中心に作られたコースです。お台馬場や馬場牧場などを通ります。夏でも冷涼な気候のため、平地でありながら高原植物が見られるのが特徴です。別当賀の地名は、アイヌ語で「浅瀬」を意味する「ペットカ」に由来します。

AB-MOBITによる地域活性化の取り組み

根室フットパスは、地元の酪農家5名によって組織されたAB-MOBITによって、2003年から構築されました。彼らは、フットパスの整備を通じて、「酪農家同士の繋がりを深める」「酪農家と他の視点を持った人々の情報の共有」「スローな視点から見る新たな発見」「酪農地の新たな価値の創造」を目指しました。2003年から2005年まで、散策路整備に関心のある人々を集め、ワークショップを毎年8月に開催しました。

多様な動植物との出会い

フットパス周辺には、多様な動植物が生息しています。オジロワシ、エゾシカ、丹頂鶴などの動物や、キタミフクジュソウ、ミズバショウ、クロユリなどの花々、ミズナラ、シラカバなどの樹木が見られます。また、セイヨウタンポポやシロツメクサなどの帰化植物も多く見られます。

アクセス

航空機: 根室中標津空港から車または路線バスで約1時間、釧路空港から車またはJR線で約2時間。
鉄道: JR根室本線（花咲線）の厚床駅または別当賀駅を利用。
バス: 根室交通バス。
道路: 国道44号または国道243号を利用。

受賞歴

根室フットパスは、地域活性化の取り組みが評価され、数々の賞を受賞しています。

2005年：我が村は美しく北海道コンクール・銅賞
2005年：北海道北のまちづくり賞・知事賞
2006年：まちづくり月間・国土交通大臣賞表彰
2006年：第2回HAL・農業酪農イメージアップチャレンジ賞
2007年：立ち上がる農産漁村に選定（農林水産省）
2007年：第4回コープ・さっぽろ農業賞
2007年：農業漁業交流賞交流の部・札幌市長賞

根室フットパスは、歩くことで根室の自然、歴史、文化に触れ、地域の人々との交流を楽しめる魅力的な場所です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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