根来衆

根来衆の歴史とその影響

根来衆（ねごろしゅう）は、戦国時代の紀伊国北部、特に根来寺を中心に活動した僧兵の集団である。この集団は、同時期に存在した雑賀衆と同様に、鉄砲による武装を行い、戦闘任務の傭兵としてもその名を馳せた。

根来衆の構成

根来衆の主要な構成員には、根来寺の僧坊の一つである杉の坊を拠点とした津田氏の津田監物が挙げられ、さらに泉州熊取谷の豪族である霜氏も加わっていた。これらの氏族は、根来衆を形成する中で重要な役割を果たした。また、杉谷善住坊という僧も名を馳せており、彼は織田信長を狙撃したことで有名であるが、根来衆自体は比較的信長に対して好意的な立場を取っていた。

実際、根来衆は信長の紀州征伐に協力し、さらには京都での御馬揃えにも参加したという。ただし、信長の死後の情勢は変わり、小牧・長久手の戦いでは雑賀衆と共に大坂を攻め、豊臣秀吉に対する脅威となった。この戦いは、当時の武士たちの力関係に大きな影響を与えたのだ。

戦国時代の紛争と根来衆の抵抗

戦後、豊臣秀吉は紀州征伐を実施し、根来大善（霜盛重）を指導者とする根来衆は抵抗を試みた。この抵抗は長期にわたり、根来の名を知らしめた。また、雑賀衆の指導者である鈴木佐大夫が藤堂高虎に謀殺された後、根来衆は伊勢に逃れ、徳川家康の配下に入る。彼らは成瀬正成の指導の下、内藤新宿に配置され、関ヶ原の戦いの際には正成の軍団として活躍した。

根来氏の変遷と末裔

さらに、根来寺の岩室坊の院主であった田中一族は、慶長5年（1600年）、安芸の毛利氏の家臣となり『根来氏』を名乗るようになった。この一族は長州藩士として活躍し、幕末には家老職にまで昇進した。具体的には、根来親祐やその子供の根来親保が存在し、彼らは歴史的な役割を担った。

まとめ

根来衆はその名の通り、根来寺を拠点に戦国時代に壮絶な活躍を見せた集団である。戦闘力と戦略を併せ持ち、さまざまな武士集団との関係を築きながら歴史に名を刻みました。彼らの歴史は、戦国時代の混乱を背景に、地域の権力抗争やそれに伴う人々の動きに深く関与しており、現代においてもその影響が色濃く残っています。

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