桂宮宜仁親王

桂宮宜仁親王の生涯

桂宮宜仁親王（かつらのみや よしひとしんのう、1948年2月11日 - 2014年6月8日）は、日本の皇族であり、その生涯を通じて独自の道を歩みました。昭和23年に三笠宮崇仁親王の次男として誕生した宜仁親王は、大正天皇の皇孫に当たり、明仁（上皇）を従兄、徳仁（第126代天皇）を従甥とする家系に属しています。学位は政治学士で、学習院大学を卒業後、オーストラリア国立大学大学院に留学し、国際感覚を磨きました。

初期の生い立ち

宜仁親王は、若い頃から学業やスポーツに秀でており、特にビートルズに影響を受けてバンドを結成するなど、自由な発想を持っていました。しかし、学業を通じて皇族としてのプレッシャーを感じることもあり、同級生の言葉に心を痛めるなど、内面での葛藤がありました。これにより、皇族としてのアイデンティティを持つことが難しくなることもあったのです。

20歳で成年を迎え、大勲位を授与された後、1971年には学習院大学を卒業しました。その後、NHKでの勤務とともに、社会の中での役割を模索していきます。特に日豪関係や日本・ニュージーランドの交流に注力し、協会の総裁としてその活動に力を入れていきました。

桂宮の創設

1988年1月1日に、昭和天皇から桂宮の称号を付与され、宮家を創設しました。これは、独身のままでの宮家創設としては初めてであり、非常に特異な事例です。この際の祝宴は、彼にとって新たな一歩となりましたが、同年5月には体調を崩し、急性硬膜下血腫で入院する事態となりました。

病気を乗り越えた後も、彼は身体に多くの後遺症を抱えることになり、その影響を受けながらも公共の場に姿を見せる努力をしていました。リハビリを経て1991年には公務復帰を果たしましたが、その後も健康には常に不安が付きまとうこととなります。

薨去とその影響

2014年には、高熱により再度入院することとなり、同年6月には急性心不全で薨去しました。66歳の若さでの死去は、三笠宮崇仁親王夫妻にとって深い悲しみをもたらし、さらに皇族の男系断絶が確定する事態となりました。

彼の死去に際しては、内閣総理大臣からの謹話が発表され、多くの人々が彼に対して弔意を表明しました。このように、宜仁親王の生涯は、皇族としてのプレッシャーと病気との戦いに満ちたものであり、彼の独身の選択は、皇室に新たな風をもたらした一方で、特異な存在として記憶されることとなりました。

結婚についての考え

宜仁親王は、結婚についても独自の考えを持っており、「自分が結婚することは、苦しむ人間を一人増やすこと」と述べ、生涯独身を貫く道を選びました。そのため、桂宮家は彼の死去により断絶が決定的となりました。

栄典と役職

彼は1968年に大勲位菊花大綬章を受章しており、国際的にもイタリア共和国功労勲章大十字騎士章を受けるなど、数々の栄誉を持っています。また、日豪・ニュージーランド協会、大日本農会、大日本山林会などの総裁を務める等、国際交流や農業振興に尽力しました。

宜仁親王の存在は、戦後の日本の皇族における重要な一役であり、その特異な生涯は後世に語り継がれることでしょう。

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