桂米八

桂米八：落語と曲独楽の芸を極めた生涯

桂米八（かつらよねはち、1956年2月4日 - 2015年1月20日）は、兵庫県姫路市出身の落語家であり、曲独楽師としても知られています。本名は山本悦次。姫路工業高等学校卒業後、1974年3月に3代目桂米朝に入門しました。

米朝一門に属しながらも、米朝事務所には所属せず独自の活動を展開。愛称は「八ちゃん」として親しまれていました。同期には、落語家では桂小枝、桂千朝、桂吉朝といった面々、芸能界では明石家さんま、島田紳助、オール阪神・巨人、関根勤といった著名人が名を連ねています。この華やかな同期たちとの交流も、彼の芸の幅を広げる一因となったでしょう。

落語家としての活動と並行して、桂米八は曲独楽にも深く関わっていました。1984年11月、曲独楽師・伏見紫水の門を叩き、弟子入り。その後は落語よりも曲独楽の活動が中心となりました。近鉄文化サロン阿倍野校では、第2・4木曜日に曲独楽の講座を開き、後進の指導にも熱心に取り組んでいました。

伏見紫水への入門は、ある偶然から始まりました。紫水と談笑中に紫水が「わしのうなったら（亡くなったら）、この芸も途絶える」と漏らした言葉を、桂米八が周囲に伝えました。その結果、多くの人々から入門を勧められ、師匠である米朝にも相談した上で、曲独楽の世界に足を踏み入れたのです。このエピソードは、彼の芸への真摯な姿勢、そして後世への継承への強い意志を示しています。

落語と曲独楽、異なるジャンルの芸を高いレベルで極めた桂米八。その芸風は、多くの人々に深い感銘を与えました。彼の芸は、単なる娯楽を超え、日本の伝統芸能の継承という重要な役割を担っていたと言えるでしょう。

娘は女優の山本真由美。2015年1月20日、食道がんのため58歳という若さでこの世を去りました。彼の急逝は、多くのファンに深い悲しみをもたらしました。しかし、彼の残した芸は、人々の記憶の中に生き続け、これからも語り継がれていくことでしょう。出囃子は「八兵衛」でした。彼の芸の軌跡は、落語と曲独楽という二つの世界を繋ぎ、日本の伝統芸能史に新たな一頁を刻んだと言えるでしょう。 彼の生き様は、後進の芸人たちにとって、大きな刺激と教訓を与え続けることでしょう。

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