桂米團治 (4代目)

4代目桂米團治の生涯と芸風

生い立ち

4代目桂米團治（本名：中濱賢三）は、1896年に大阪市南区高津町で生まれました。彼の実家は「中濱屋」という双子織専門の反物屋でした。幼少期にメソジスト教会で洗礼を受けた後、1909年に小学校を卒業します。実家の手伝いをしながら、伯父の鏡卸商で住込みの店員として働きました。

落語家入門から初期の活動

米團治は1911年に15歳で3代目桂米團治に入門し、2代目米之助の名を名乗ります。翌年、堀江の賑江亭で初高座を経験し、浪花三友派の一員として活動を始めました。その後、彼は経済的困難に直面し、1916年に朝鮮や満州、中国を巡業します。

1918年には二つ目に昇進しますが、1921年には師匠や仲間たちが浪花落語反対派に移る中、米之助は浪花三友派に留まります。1923年には吉本に脱退し、芸界から姿を消します。

一時の実業生活と復帰

落語家の活動を一時引退した後、米團治は姉のシャツ製造所や食堂、果物店、酒店を経営しました。これらの事業は成功を収め、特に食堂は注目を集めるほどでした。1933年に初代桂小春團治と共に「桃源座」を結成しますが、半年で再び芸界を退きました。1936年には、5代目笑福亭松鶴の「楽語荘」に参加し、落語に復帰します。この時期からは雑誌『上方はなし』でも活動を始めました。

1940年には「凡想録」に世情や思想についての考えを記録し、1943年には3代目米團治の死に伴い4代目桂米團治を襲名。正式には1946年の大阪天満宮での会で披露されました。

襲名後の活動と晩年

戦後、米團治は寄席においても積極的に活動を再開しましたが、1948年には演芸場への出演を取り止めます。彼は1951年に亡くなるまで演芸や弟子育成に力を注ぎました。特に弟子の指導においては、丁寧で詳細な説明を行ったと言います。

晩年、米團治はヒロポンの副作用に悩まされます。彼は1951年10月22日に慰問奉仕に出演直後に脳溢血で倒れ、翌日亡くなりました。享年55歳です。

芸風と弟子たち

米團治の十八番といえるネタには、自作の『代書』や『猫の忠信』などがあり、彼の芸風は熟考と選抜に基づくものでした。上方落語伝承に尽力し、完璧主義でありながらも知性的な冷静さを持っていました。弟子の中には3代目桂米朝や3代目桂米之助などが名を連ね、彼らに対し熱心に指導しました。

彼は「芸人は世間が評価してくれるもので、ただ真剣に磨くべきだ」と語り、芸への真摯な姿勢を貫いていました。

最後に

米團治は日本の落語界において、独自の存在感を持ち続けた名噺家です。その優れた才能や真摯な姿勢は、今日の上方落語においても多くの落語家やファンに記憶されています。

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