桃型駆逐艦

桃型駆逐艦

桃型駆逐艦は、日本海軍において設計された二等駆逐艦であり、計4隻が建造されました。1915年度の海軍計画に基づいて作られ、建造が行われたのは主に佐世保海軍工廠と舞鶴海軍工廠です。これらの艦は、帝国海軍の艦隊整備の一環として重要な役割を果たしました。

計画と建造

桃型駆逐艦は、主に第一次世界大戦下における船団護衛を目的に設計されました。大正4年度から大正5年度にかけて建造された4隻の艦は、総額5,563,256円という予算で建造されました。前型の樺型駆逐艦が急造であったのに対し、桃型は新たな設計によって開発されたため、工期は約6ヶ月から12ヶ月と比較的時間がかかりました。

艦型と特長

基本計画番号F27の桃型駆逐艦は、磯風型駆逐艦の縮小版のような形を持っています。デザインにおいては、波を克服するための工夫が施され、特に船首楼の乾舷を高くしつつ、舷側に丸みを付けることで水はけが良くなるように設計されました。この形状は後の2等駆逐艦や1等駆逐艦にも影響を与えました。また、艦尾波が大きく立たないため夜戦にも向いていると言われています。

機関に関しては、桃型の艦は「桃」と「樫」が艦本式衝動タービン、「檜」と「柳」はブラウン・カーチス式タービンを搭載しています。このため、出力は約16,700馬力に達し、速力は31.5ノットという高いパフォーマンスを誇りました。この艦は運用においても高い効率性を発揮しました。

兵装

兵装は、初めて3連装の魚雷発射管が装備され、計2基で6門を搭載しました。これは従来の連装発射管と同等の雷撃力を提供します。また、12cm砲を3門装備しており、戦闘能力も十分でした。これにより、地中海における艦隊任務にも対応できました。

活躍

桃型駆逐艦は、竣工後に第十五駆逐隊を編成し、地中海へ派遣されました。この地域での船団護衛任務に従事し、艦隊としての役割を果たしました。特に「樫」は後に満州国海辺警備隊に譲渡され、「海威」として再び日本海軍に使用されることになります。

同型艦

桃型駆逐艦には以下の艦が含まれています。

• - 桃（もも）: 1916年に竣工し、地中海遠征に参加。1940年に除籍。
• - 樫（かし）: 1917年竣工後、地中海で活動し、水上機の運用も行った。1942年に再編入され、護衛任務に従事。
• - 檜（ひのき）: 1917年竣工。地中海遠征に参加し、1940年除籍。
• - 柳（やなぎ）: 同じく1917年竣工。戦後解体が決定し、船体は防波堤として利用されることになります。

駆逐隊の編成

第十五駆逐隊は、これらの艦によって編成され、その後も駆逐隊は変遷を重ねました。元々は第二十四駆逐隊と呼ばれており、活動の多くは中国大陸で行われました。与えられた任務や部隊の特性を十分に発揮し続けました。

結論

桃型駆逐艦は、技術的な進化と戦略的な運用により、日本海軍で重要な役割を果たし続けました。彼らの設計や運用の知見は、後の艦船における駆逐艦の発展にも寄与しています。

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