桃花台新交通

桃花台新交通株式会社の概要

桃花台新交通株式会社は、愛知県小牧市で新交通システムの桃花台線を運営していた第三セクターの鉄道会社です。1979年に設立され、その後1991年に桃花台線が開業しました。設立の際には、愛知県や小牧市の他、名古屋鉄道、旧東海銀行（現・三菱UFJ銀行）、中部電力、東邦ガス、トヨタ自動車など多くの企業が出資し、資本金は30億円に達しました。本社は愛知県小牧市光ヶ丘六丁目に位置していました。

1991年に営業を開始し、開業当初は地域の交通手段として期待されていましたが、その後の運営はさまざまな課題に直面しました。設立から数年が経つ中で、2003年3月31日の決算においてはすでに61億円の繰越損失と31億円の債務超過状態にあることが明らかになり、経営状況は厳しくなる一方でした。さらに、桃花台線が開業以来一度も黒字を計上できなかったことから、愛知県は存廃について検討を始めました。

2004年には「桃花台線のあり方検討会」が設立され、桃花台線の改善策として磁気誘導式無軌条交通システム（IMTS）への切り替えが提案されましたが、コストが高すぎるとされてこの案は実現しませんでした。その後、調査により桃花台ニュータウンの人口減少も影響し、赤字が解消できない見込みとなったことから、2006年3月28日に運行の廃止が決定されました。

運行は2006年9月30日で終了し、翌日から正式に桃花台線は廃止されました。この廃止は日本における新交通システム初の事例となり、その結果、同年11月17日に臨時株主総会が開かれ、会社の解散が決議されました。最終的には約65億円の累積赤字が計上され、債務超過が35億8452万円に達しました。また、資産は10億7595万円で、負債総額は45億9710万円でした。

さまざまな経営努力がなされたものの、2007年7月には名古屋地方裁判所に特別清算を申請。清算業務は2009年に完了し、桃花台新交通はその時点で名実ともに幕を閉じることとなりました。

会社の沿革

• - 1978年12月6日: 第1回発起人会開催。
• - 1979年12月3日: 会社設立。資本金7.6億円。
• - 1988年7月: 株主割当による資本金増額（22.5億円）
• - 1989年2月: 第三者割当による資本金増額（30億円）
• - 1991年3月25日: 桃花台線開業・営業開始。
• - 1997年4月1日: 運賃値上げ実施。
• - 2000年4月: 経営改善計画を策定、愛知県と小牧市の追加融資決定。
• - 2003年3月27日: 上飯田連絡線開業・運賃値下げ、共通乗車カード「トランパス」を導入。
• - 2006年3月28日: 愛知県と小牧市、桃花台新交通への支援を断念。
• - 2006年10月1日: 桃花台線廃止。
• - 2007年7月: 名古屋地方裁判所に特別清算申請。
• - 2009年4月9日: 特別清算終結。

桃花台新交通の歴史は、地元の交通システムとしての期待を背負う一方で、経営的な困難に直面した30年間の物語であり、地域における交通網の重要性や運営の難しさを浮き彫りにしました。

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