桐ケ谷駅

桐ヶ谷駅の歴史

桐ヶ谷駅（きりがやえき）は、東京都品川区大崎4丁目にあった東京急行電鉄池上線の駅です。この駅は1927年8月28日に開業し、その後多くの出来事と共にその歴史を刻んできました。開業当初は池上電気鉄道が管理しており、雪ヶ谷駅（現在の雪が谷大塚駅）までの延伸が行われた際に終着駅として設立されました。その後、同年10月9日には大崎広小路駅までの延伸が実施され、桐ヶ谷駅は途中駅となりました。

この駅は主に立正大学付属立正中学校・高等学校や桐ケ谷火葬場へのアクセスとして利用されていました。実際、桐ヶ谷駅の利用者の多くは学生や葬儀参列者だったと言われています。

戦争の影響と営業休止

1945年5月25日には、太平洋戦争中の大空襲によって駅舎とホームが甚大な被害を受けました。営業は続けられましたが、空襲が激化する中、同年7月25日には営業を休止せざるを得なくなりました。戦後も復旧ができず、最終的には1953年8月11日に正式に廃止されました。

桐ヶ谷駅が廃止された理由には、周辺地域の発展が乏しかったことや、近隣の国鉄五反田駅や大崎駅の利用者が多かったため、乗降客数が少なかったことが挙げられます。また、空襲の影響で周辺が焦土地帯となったことも、利用者の減少に繋がったとされています。さらに、大崎広小路駅と戸越銀座駅の間の距離がわずか1.1kmしかなかったことが、駅存続の難しさを増す要因となりました。

復活の構想と最終的な消滅

1960年代に入ると、都営地下鉄への直通運転構想が持ち上がり、1962年には桐ヶ谷駅を復活させ都営1号線（後の都営浅草線）との接続点とする計画が発表されました。しかし、1964年には計画が変更され、桐ヶ谷駅の復活は実現しませんでした。最終的には、駅は跡地として残されることとなりました。

年表

• - 1927年（昭和2年）

- 8月28日：池上電気鉄道が当駅を開設。
- 10月9日：大崎広小路駅へ延伸し、途中駅となる。

• - 1934年（昭和9年）

- 目黒蒲田電鉄が池上電気鉄道を吸収合併。

• - 1945年（昭和20年）

- 5月25日：空襲により被災。
- 7月25日：営業休止。

• - 1953年（昭和28年）

- 8月11日：正式に廃止。

駅名の由来

桐ヶ谷という名前は、この地域の古い地名であることに由来しています。由来は明確ではありませんが、かつてこの地域には大きな桐林が存在したという説や、霧が多かったことから「霧ヶ谷戸」という名前が転訛して「桐ヶ谷」になったという説があります。

駅の構造と跡地

当駅は地上駅で、島式ホームを一面有し、2本の線路が存在しました。改札口は第二京浜沿いの高架上に設置されていました。

駅の廃止後、施設は残されていたものの、いつ撤去されたかについての記録は残っておらず、廃止前に撤去されたのか、廃止時に撤去されたのかははっきりしていません。現在の跡地では、あの頃の駅舎やホームの痕跡は消えてしまいましたが、かつての存在感を思い起こさせるように、周辺の土地には少し広がった場所が見受けられます。

桐ヶ谷駅の歴史は、地域の変遷を物語っており、時代の流れを感じさせる重要な存在でした。それは、今もなお地域の記憶の中に残っています。

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