桐花章

桐花章（とうかしょう）

桐花章は、日本の勲章の中でも特に高い位にカテゴライズされるものであり、主に国家や公共のために特に優れた功績を残した者に授与されています。この勲章は、桐花大綬章と呼ばれる日本における単一級の勲章で、国の評価制度の中で重要な役割を果たしています。

背景

桐花章は、1888年（明治21年）に制定されたもので、元々は旭日章に付随する形で存在した「勲一等旭日桐花大綬章」として登場しました。その際、元勲である山縣有朋が金鵄勲章の制定を考慮していたことに対抗する形で、伊藤博文がこの勲章の制定を推進したとも伝えられています。その結果、当時の宮中において桐花大綬章は、金鵄勲章の中でも特に高位に位置づけられることになりました。

制度改革と独立

2003年（平成15年）11月3日、栄典制度の改革に伴い、桐花章は旭日章から独立した勲章として扱われることが定められました。このとき、「旭日大綬章または瑞宝大綬章を授与されるべき者の中で、功績や長年の功労が特に優れた者」に対して授与されることが公式に宣言され、名称も桐花大綬章に改められました。そのため、従来の旭日章とは異なる固有の勲章としての地位を確立しました。

意匠

桐花章のデザインは非常に美しく、赤色の七宝を使用した八条の旭光がベースになっています。この旭光の周囲には、白色の七宝が施されており、さらにその間には紫色の七宝で装飾された桐の花が添えられています。これらの要素が組み合わさることで、精緻で華やかな印象を与えるデザインとなっています。さらに、章の中央には厚いガラスで構成された赤色の部分があり、立体感を感じさせるような工夫がされています。

授与基準と運用

桐花章は、国家や公共に対して特に優れた貢献をした者に授与されるもので、内閣総理大臣や国会議長など、三権のトップを務めた者が中心となっています。また、民間においても顕著な功績を上げた企業経営者や経済団体のリーダーに授与されるケースが多く見受けられます。

外国人への授与

外国の要人に対しても、特に功績のあった者に対して桐花章が贈られることがありますが、これはあくまで儀礼的な側面が強いとされています。公式な国賓訪問時には、一般的にこの勲章は用いられませんが、特別な功績があった場合には授与されることもあります。

皇族への叙勲

明治43年に制定された皇族身位令により、男性皇族への叙勲は特に厳格な基準が設けられています。この制度に基づき、勲一等旭日桐花大綬章が授与されるルールが設けられ、その後の皇族男子への叙勲も同様の基準が適用されています。

まとめ

桐花章は、その華美なデザインと授与基準の厳格さを兼ね備え、日本における勲章の中でも特別な存在に位置づけられています。この勲章は、国家に対する卓越した貢献を讃える象徴として今後も重要な役割を果たしていくことでしょう。

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