桑山一晴

桑山 一晴（くわやま かずはる）

桑山一晴は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、大名です。彼は大和国の新庄藩の初代藩主として知られています。官位は従五位下・修理大夫で、家系には2代目として名を刻んでいます。

生い立ち

生まれたのは桑山一重の長男であり、祖父は桑山重晴です。幼名は小藤太で、これは通称としても広く用いられていました。天正10年（1582年）4月、父一重の死去後、彼は武将としての道を歩み始めました。

戦功と経歴

彼の名が歴史に刻まれたのは文禄、慶長の役においての活躍によるものです。叔父である桑山貞晴（小傳次）と共に出征し、加藤嘉明や藤堂高虎らと協力して水軍の将として敵の船を撃沈し、多くの戦果を挙げました。しかし、激しい戦闘の中で彼自身も傷を負いました。

慶長元年（1596年）には従五位下・修理大夫の官位を祖父から譲り受け、家督と所領を受け継ぎました。その後の慶長2年（1597年）には、紀州の山地一揆において、杉若氏宗の田邊城を救援し、包囲していた一揆勢を鎮圧する手助けをしました。これにより一晴の名声はさらに高まりました。

関ヶ原の戦い

慶長5年（1600年）には、関ヶ原の戦いが勃発しました。一晴は重晴と共に和歌山城におり、徳川家康の密使を受けて東軍に加わりました。和歌山城を守る中、本戦後には命令を受けて叔父や西軍から東軍に転じた杉若氏宗と共に、堀内氏善が守る新宮城を攻めることになりました。最終的に堀内氏善を降伏させることに成功します。戦後、杉若氏宗は改易されましたが、重晴と一晴は所領を安堵されました。

藩主としての活動

同年、祖父の重晴は隠居し、一晴は和歌山2万石を引き継いで藩主となります。この際、叔父の元晴には1万石が分け与えられましたが、一晴は養老料として一部を元晴に戻したため、最終的には和歌山1万6,000石を領有することになります。これにより、初代新庄藩主としての地位を確立しました。

慶長6年（1601年）、和歌山藩37万石の大名として浅野幸長が封じられたことで、一晴は大和国葛下郡布施に移封されます。その結果、新庄藩の初代藩主としての任務を担うことになりました。しかし、その短い生涯の中での様々な業績や戦功は、彼の名を永遠のものとしました。

死去と後継

最終的に、慶長9年（1604年）2月28日に伏見で死去しました。享年は30歳です。子息が存在しなかったため、弟の一直が養嗣子として彼の後を継ぐことが許されました。桑山一晴の短い生涯は多くの困難を乗り越え、歴史に一際存在感を示したものとなりました。

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