桑田兼吉

桑田兼吉は、1939年9月23日に生まれ、2007年4月5日にその生涯を閉じた、日本のヤクザです。指定暴力団・五代目山口組において若頭補佐という要職を担い、その勢力を拡大しました。また、三代目山健組組長、二代目健竜会会長としてもその名を轟かせました。

1982年、桑田は山健組若頭補佐として、二代目健竜会会長に就任しました。この頃から、山口組内での地位を確立し始めます。

1989年、山口組五代目の人選が議論される中、桑田は重要な役割を果たしました。竹中組組長が態度を保留する中、四代目山口組若頭・渡辺芳則（後の五代目山口組組長）と四代目山口組組長代行・中西一男の協議の結果、中西が五代目組長候補を辞退、渡辺芳則が五代目山口組組長に就任することが決定しました。その後、渡辺芳則は山健組の組長を桑田に譲り、桑田は三代目山健組組長となりました。この人事は、山口組の勢力図を大きく変える出来事でした。

1990年1月、札幌事件が発生。同年5月には、桑田は共政会・沖本勲理事長と兄弟盃を交わし、その影響力を拡大しました。

1997年8月、宅見若頭射殺事件が発生。同年12月、東京都内での検問で、桑田の配下組員の車両から拳銃が発見され、銃刀法違反で逮捕されました。桑田自身も拳銃の共同所持の容疑で逮捕され、1998年には共謀共同正犯として起訴されました。検察は懲役10年を求刑しましたが、2000年3月、東京地方裁判所で懲役7年の判決が下されました。桑田はこれを不服として控訴しましたが、2001年10月、東京高等裁判所は控訴を棄却し、最高裁判所に上告しました。

2003年5月、最高裁判所は桑田の上告を棄却し、懲役7年の実刑が確定しました。この事件は、通称「スワット事件」として知られています。服役中、桑田は持病が悪化し、一時的に拘置の執行停止を受け入院しましたが、2004年3月には収監されました。

2005年、桑田は若頭の井上邦雄に跡目を譲り、引退しました。井上は桑田の養子であり、四代目健竜会会長となりました。2007年3月、桑田は病気により刑の執行が停止され、釈放、病院に入院しましたが、同年4月5日、大阪市内の病院で死去しました。

桑田の死後、4月7日と8日に神戸市で葬儀が執り行われ、山口組組葬に準じる形で盛大に見送られました。その生涯は、激動のヤクザ社会を生き抜いた、まさに波乱万丈の人生でした。

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