桑田笹舟

桑田笹舟：日本書道の先駆者

桑田笹舟（くわだ ささふね、本名：桑田明）は、1900年6月24日に広島県福山市で生まれ、1989年7月31日に亡くなった日本の著名な書道家です。彼は福山市名誉市民に選ばれ、その生涯において書道界に多大な貢献をしました。

経歴と書道への道

桑田は1922年に神戸市立教員養成所に入学し、書道の巨匠である安東聖空に師事しました。2年後、彼は文部省の教師検定試験に合格し、教員としてのキャリアをスタートさせます。この間、彼は西谷卯木などと共にかな書の研究を展開し、古筆研究家の田中親美からも専門的な指導を受けました。

同年、桑田は一楽書学院を設立し、そこを拠点に笹舟と号するようになります。1927年には作品集『かなとうた』を発表し、書道界にその名を刻みます。1932年には関西書道会展や東方書道会展で最高賞を受賞しましたが、1940年に教員職を退き、創作活動と学院運営に専念しました。

戦後の足跡

戦後、桑田は現代かな書の先駆者として、新しいかな書道の方向性を示していきます。1951年には日展で特選を受賞し、1956年には朝日新聞社による「現代書道二十人展」に参加。1970年には日本芸術院賞を受賞し、1978年には勲四等旭日小綬章を授与されました。1980年には東大寺に華厳経の奉納を行い、翌年には皇太子妃に料紙についての進講を務め、その名声は広がりを見せました。1986年には福山市名誉市民に認定され、書道界の重鎮としての地位を確立しました。

書道界への貢献

桑田笹舟は、かな書の普及と発展に多大な影響を及ぼし、関西かなの基盤を築く一因となりました。彼の門下からは桑田三舟や山龍洞といった多くの優れた書道家が育ち、書道界に新たな風を吹き込みました。また、月刊誌『書芸公論』や『書道笹波』を刊行するなど、書道指導を通じて後進の育成にも尽力しました。1960年代からは「大字かな」という大サイズのかな書きを推進し、その運動が書道の盛況を支える基礎となりました。

料紙研究とその成果

さらに、桑田は書道のみならず、料紙研究にも力を入れ、古典の仮名名筆の復元にも取り組みました。特に寸松庵色紙や継色紙に関する研究は高く評価されています。彼の研究成果は、後世の書道教育にも影響を与え続けています。

作品と寄贈

2020年には、桑田の作品42点と収集作品がふくやま[[書道美術館]]に寄贈され、彼の業績が後世に継承されることとなりました。

書籍

桑田笹舟は多くの著作を残しており、その中には『和漢書道史』、また『仮名の研究』などが含まれています。これらの書籍は、書道を学ぶ上での貴重な資料として広く利用されています。彼の努力と情熱が息づく作品群は、今なお多くの人々に感動と知識を与え続けています。

桑田笹舟の功績は、日本の書道界において記憶され続けることでしょう。

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