桜井憲

桜井 憲（さくらい けん）氏は、1948年4月9日に茨城県猿島郡境町で生まれました。ポジションは投手。

アマチュア時代

中学時代から投手としてプレーし、地元茨城を離れて進学した日大一高では、エースとしてチームを牽引しました。1966年の春季関東大会では、決勝で強豪の浅野高を破り、チームを優勝に導く活躍を見せました。同年夏の都大会では6回戦で敗退したものの、長身から投げ下ろす本格派右腕として、その投球は多くのプロ球団から熱い注目を集めました。高校の同期には、投手陣のもう一方の柱であった保谷俊夫氏や、捕手の村上修氏（後に社会人野球の富士重工業で活躍）といった実力者がいました。

プロ野球選手時代

1966年の第1次ドラフト会議において、桜井氏は東映フライヤーズから1位という高い評価を受けてプロ入りを果たします。

プロ1年目の1967年、8月16日の阪急ブレーブス戦で一軍での初登板を経験。この試合では8回から3番手として救援のマウンドに上がり、1イニングを無失点に抑えました。同年8月19日には、南海ホークス戦でプロ初先発のマウンドに立ちますが、相手チームの主砲であった野村克也氏に本塁打を浴びるなど、わずか1/3回で降板となり、敗戦投手となりました。しかし、この年は若手有望株としてジュニアオールスターゲームにも選出されています。

プロ2年目の1968年には一軍での登板機会が増え、30試合に登板し、そのうち10試合で先発を務めました。特に8月11日の南海ホークス戦では、前年の初先発で苦い経験をした相手に対し、プロとして初めての完投勝利を収めました。このシーズンは最終的に2勝という成績で終えました。

その後も一軍での登板は続きましたが、1970年に3勝を挙げたのを最後に、1972年以降は一軍での登板機会がなくなりました。そして、1974年限りで現役を引退しました。

投手としての桜井氏の最大の武器は、長身を生かした威力のある速球でした。これに加えて、打者の手元で鋭く変化するスライダーや、特に右打者がのけぞるほど大きく曲がるカーブも駆使し、打者を翻弄しました。

選手としての才能だけでなく、高校時代から学業成績は優秀で、熱心な読書家であったという知的な一面も持ち合わせていました。

引退後

プロ野球界を離れた後は、ゴルフの世界に転身。ゴルフのティーチングプロとして活動しています。

主な記録

初登板：1967年8月16日、対阪急ブレーブス17回戦（阪急西宮球場）
初先発登板：1967年8月19日、対南海ホークス20回戦（明治神宮野球場）
初勝利：1968年8月4日、対東京オリオンズ17回戦（東京スタジアム）
初先発勝利・初完投勝利：1968年8月11日、対南海ホークス20回戦（大阪球場）

背番号

32 （1967年 - 1973年）
54 （1974年）

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