桜木亮三

桜木亮三の生涯と業績

桜木亮三は1880年2月6日、佐賀県で生まれました。彼は士族の家系に生まれ、1897年に桜木姓を名乗ることになりました。学業においては、1901年に第一高等学校法科を卒業し、1906年には東京帝国大学法科大学政治学科を修了しました。

彼のキャリアは大蔵省から始まりましたが、すぐに退職し、長崎の十八銀行に勤務。その後1914年に長崎電灯に転職し、同社の支配人として改革に着手しました。この企業は当時、経営が厳しい中にありましたが、桜木は経営を立て直すために尽力しました。

1916年には長崎電気瓦斯が福岡の九州電灯鉄道と合併し、桜木は九州電灯鉄道の支配人に昇進しました。1920年には取締役兼支配人に選ばれ、経営陣の中心的な存在となりました。

東邦電力時代

桜木は1921年に九州電灯鉄道から関西電気に移り、その後の合併に際して東邦電力が創設されると、常務取締役として選ばれました。九州支社長の役割を担いつつ、頻繁に東京本社との往復に励みましたが、その健康が害されることとなり、1924年には九州駐在常務を辞任しました。

政治にも関心を持ち、福岡市会議員に当選したほか、博多商工会議所の副会頭を務めるなど地域社会にも貢献しました。また、1926年から1927年にかけてイギリスとアメリカを視察し、電力事業の国際的な視野を広げました。この頃には企業の環境も厳しく、1930年代に入ると不況が訪れます。

中部地方での活動

1927年、桜木は三河水力電気の代表取締役に就任。彼はこの会社の運営において、電源開発を推進し、発電所を新設するなどの業績を残しました。続いて1931年には忙しい経営状況の伊那電気鉄道に専務取締役として転職、経営再建を目指しました。

彼がその役割を担うことで、会社は復活の兆しを見せ、配当再開にまで至りました。更に、1933年には合同電気において専務として活動するなど、電力界での影響力を広げていきます。

終戦と晩年

戦局が厳しくなる中で、桜木は1942年に中央電力の会長として国策会社への設備出資に関与しました。1943年には伊那電気鉄道が国有化される等、電力業界は大きな転換を迎えました。桜木は戦後、1955年に75歳で亡くなるまで、長崎電気軌道の役員として尽力し続けました。

彼の生涯は、日本の電力事業の発展に寄与し、多くの企業の改革や経営再建に関わったことが特徴的です。桜木亮三が残した業績は、今もなお電力業界に影響を与え続けています。

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