桜田規矩三

桜田 規矩三（さくらだ きくぞう）

桜田規矩三は、1896年に京都府で生まれた活動家であり、全国水平社の創立メンバーの一人として知られています。彼の人生は水平社運動との深い結びつきがあり、社会的な変革を目指したその行動は多くの人々に影響を与えました。

桜田は、紀伊郡柳原町上之町で父の重三郎と母のトクの次男として誕生しました。特に母・トクは初代柳原町長の桜田儀兵衞の長女であり、この背景が彼に与えた影響も大きかったと考えられています。1921年、彼は奈良県安堵村の小林きみと結婚し、長女と長男を授かりました。

1922年に全国水平社が発足した際、桜田は自宅をその創立準備事務所として提供します。そして、同年3月3日に京都で行われた創立大会では、彼自身が綱領を読み上げ、協議会において執行委員に選出されました。この時期、桜田は水平運動の中心的な役割を担い、東京の中央官庁に対して活動の必要性を訴えるなど、さまざまな活動に取り組みました。

また、地元の警察との接触も多く、時には逮捕されることもありました。彼は自らの信念に則り、平等と解放を目指して多くの困難にも立ち向かいました。しかし、1925年の全国水平社第四回大会以降、内部で日本共産党の影響が強まる中、桜田は中央執行委員長の職を退き、1926年頃からは活動の前線から退くことになります。

彼の活動は決して無駄ではなく、その後の運動においてもフレームワークを提供する重要な役割を果たしました。桜田の努力によって、多くの人々が平等と権利を求める声を上げることができたのです。

桜田規矩三は、1963年12月31日に京都の五条東山の木賃宿で孤独死を迎えました。彼の生涯は、社会改革のために戦った一人の活動家の姿を象徴するものであり、今でも多くの人々に記憶されています。彼の名前は、水平社運動の歴史において忘れられない存在であり、その功績は後世に引き継がれています。

脚注

• - 日外アソシエーツ 編『昭和物故人名録 昭和元年〜54年』日外アソシエーツ、1983年。
• - 前川修（2002）：桜田 規矩三　イデオロギー対立に翻弄された全水創立メンバー，水平社博物館・編『全国水平社を支えた人びと』解放出版社，pp.135-146

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