桜美林幼稚園 (東京都)

桜美林幼稚園は、日本の首都・東京都の町田市にその園舎を構える私立幼稚園です。学校法人桜美林学園が運営しており、同学園の教育機関の一員として位置づけられています。自然豊かな環境の中で、幼児期の心身両面にわたる豊かな成長を育む教育を提供しています。

本園の歴史は、創立者である清水安三が深く関わっています。清水安三は、戦前、中国の北京において教育活動を行い、崇貞学園（現在の陳経綸中学にあたる）を設立・運営していました。戦後、日本に帰国した後、1946年には桜美林女学校を創立しました。これが現在の桜美林学園の礎となり、桜美林大学をはじめとする一連の教育機関へと発展していきます。桜美林幼稚園は、この学園の教育体系の拡充の一環として、1968年3月28日に設立されました。創立当初から、清水安三自身が初代園長を務め、その教育に対する熱意と理念を直接的に本園に注ぎ込みました。設立から約20年を経た1987年には、より充実した教育環境を提供し、子どもたちが安全かつ快適に過ごせるよう、現在の園舎が新たに建設・落成されています。

桜美林幼稚園の教育の根幹には、創立者清水安三が終生大切にしたキリスト教の精神があります。子どもたち一人ひとりが神から与えられたかけがえのない存在として尊重され、愛されていることを実感できるような温かい環境づくりを心がけています。日々の保育の中では、感謝の心や思いやりの心を育むことを大切にしています。具体的な教育内容においては、グローバル化が進む現代社会で必要とされるコミュニケーション能力の基礎を培うため、英語教育に力を入れています。歌や遊びを通して、子どもたちは自然な形で英語に親しみ、国際的な感覚の芽を育みます。また、幼児期における健やかな身体の発達を促すため、体育活動も重視しています。様々な運動や外遊びを通して、子どもたちは運動能力を高め、体力づくりに励みます。

本園のユニークな取り組みとして特筆されるのが、園庭での活動時に子どもたちが「わらじ」を履く習慣です。これは、足の裏への適度な刺激が土踏まずの形成を助け、足腰の強化につながると考えられているからです。また、日本の伝統的な履物を体験することで、文化的な側面にも触れる機会となっています。さらに、本園が教育目標の一つとして掲げているのは、「ありがとう」や「ごめんなさい」といった、人間関係において最も基本的な言葉を、状況に応じて素直に表現できる子どもたちの育成です。感謝の気持ちや反省の心を率直に伝えられるようになることは、豊かな人間性を育む上で不可欠であると考えています。

学校法人桜美林学園に所属する幼稚園であるため、運動会や発表会といった年間行事の中には、桜美林大学などの学園内の広大な施設や設備を利用することもあります。これにより、幼稚園という枠を超えた多様な環境でのびのびと活動する機会が得られます。

ただし、一点補足すべき情報として、埼玉県さいたま市にも同名の「桜美林幼稚園」が存在しますが、これは「おべりんようちえん」と読み、東京都町田市の桜美林幼稚園（おうびりんようちえん）とは運営母体も異なり、直接的な関連性はありません。

このように、桜美林幼稚園は、創立者の確固たる教育理念とキリスト教精神に基づき、子どもたちが知性、体力、そして何よりも豊かな心を育み、将来を力強く歩んでいけるような教育を提供し続けています。

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