桜色舞うころ/メロディー

清木場俊介の通算14枚目となるシングル作品『桜色舞うころ/メロディー』は、2011年11月23日にリスナーの元へ届けられました。このシングルは、彼のソロデビュー10周年を記念して制作されたものであり、彼の音楽活動における新たな側面を示す意欲作として注目を集めました。特筆すべき点は、本作に収録された楽曲が全て、他アーティストの楽曲をカバーしたものであるという点です。自身にとって初めてのカバー作品のみで構成されたシングルでありながら、これまでのナンバリングに含められた形で発表されました。

清木場俊介は、以前にもライブステージで他アーティストの楽曲を披露する機会を設けていました。例えば、かつては尾崎豊の楽曲をカバーしたり、EXILE在籍時に制作した楽曲をセルフカバーとして歌唱したりしています。しかしながら、それらのパフォーマンスが公式な形で音源化され、パッケージ作品として発表されるのは、このシングル『桜色舞うころ/メロディー』が初めての機会となりました。この事実からも、本作が彼のキャリアにおいて重要な位置を占める作品であったことが伺えます。

本作には、タイトルにも冠されている二つのカバー楽曲が収録されています。

桜色舞うころ: この楽曲は、シンガー・ソングライターとしても活躍する女優、中島美嘉が2005年にリリースした同名の楽曲をカバーしたものです。原曲は卒業や別れ、そして新たな始まりを迎える季節の情景を情感豊かに描いたバラードであり、清木場は自身の歌声でこの名曲に新たな解釈を加えました。また、この「桜色舞うころ」のためには、楽曲の世界観を視覚的に表現したドラマ仕立てのミュージックビデオが特別に制作されました。この映像作品には、俳優の大和田健介氏と女優の入山法子氏が出演。そして、数々のミュージックビデオや映画を手がけてきた映像作家の中野裕之氏が演出を担当し、作品に深みを与えています。

メロディー: もう一曲は、日本を代表するミュージシャンである玉置浩二が1996年に発表した楽曲のカバーです。この「メロディー」は、玉置浩二のソロキャリアにおける代表曲の一つとして広く知られており、多くのアーティストによってカバーされてきました。清木場は、この普遍的なバラードに真摯に向き合い、自身の表現で歌い上げています。なお、この「メロディー」のカバーバージョンは、2011年11月23日のシングル発売後、彼のオリジナルアルバムやベストアルバムには収録されていないという情報があります。

本作は商業的な側面では、それまでの清木場俊介のシングル作品とは異なる結果を示しました。2011年12月5日付のオリコン週間シングルランキングにおいて、本作は初登場で最高位29位を記録しました。これは、彼がソロ活動を開始して以降に発表した全てのシングル作品の中で、初めて週間チャートでトップ10圏内へのランクインを逃した作品となり、注目を集めました。

本作のレコーディングには、清木場俊介のボーカルを支えるため、以下の実力派ミュージシャンたちが参加しています。

清木場俊介: Vocal
野崎真助: Drums
住吉中: Electric Bass
弥吉淳二: Acoustic Guitar
林こずえストリングス: Strings
曽我淳一: Piano, Programming

彼らの演奏が、カバー楽曲に新たな生命を吹き込み、作品の完成度を高めています。

最後に、収録曲の一つである「桜色舞うころ」のカバーバージョンは、シングルの発売後にリリースされた彼のベストアルバムに収録されています。具体的には、2012年1月18日に発売されたバラード楽曲を集めたベストアルバム『LOVE SONGS 〜BALLAD SELECTION〜』に収められています。

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