桝本清

桝本清について

桝本清（ますもと きよし、生年1883年 - 没年1932年）は、日本の演出家、劇作家、映画監督及び脚本家として知られる人物です。新劇運動の先駆者として、その活動は日本の舞台芸術や映画に多大な影響を及ぼしました。

初期の活動

桝本は明治16年に生まれ、その後、新劇の演出や戯曲の執筆に取り組むようになります。1908年には東京の目黒にある吉沢商店に入社し、映画の脚本制作に参加します。この時期、桝本は映画業界において注目を集めることとなり、特に『松の緑』などの作品に関わりましたが、クレジットには彼の名前が記載されていないため、今ひとつの認知度を持つには至りませんでした。

日活との関係

1912年には吉沢商店と他の三社が合併し、日活が創設されました。桝本はこの新会社でも引き続き活動し、特に現代劇の脚本を数多く執筆し、「日活新派」の一員として知られました。1914年には、佐藤紅緑の原作を基にした『谷底』を監督し、同年にレフ・トルストイの名作『復活』を基にした『カチューシャ』が大ヒットを記録しました。

この成功によって桝本はさらに多くの作品に携わり、さまざまなジャンルの映画で脚本や監督を手掛けることになります。しかし、彼の製作物は他の映画会社とも競作となり、たとえば『毒草』では同時に他社が類似の作品を製作する事態が発生しました。

退社とその後

1919年、桝本は日活を退社し、その後もフリーランスとして活動を続けました。彼は多くの映画作品において主演映画だけでなく、製作や監督も手掛けました。1920年代に入ってからも、彼の創作活動は止まることなく続き、国活、松竹キネマ、帝国キネマ演芸など、様々な制作会社と協力しながら多彩な作品を世に送り出しました。

晩年と遺族

1932年には、自らの原作となるパートトーキー『上海戦線四十哩』を公開し、映画制作に対する情熱を示し続けましたが、同年8月22日または8月19日に48歳または49歳の若さでこの世を去りました。桝本の急逝は日本映画界における喪失と捉えられ、その功績は今に語り継がれています。

代表作

桝本は生前に多くの名作を世に出し、作品は次の通りです：

• - 『松の緑』 (1911年)
• - 『谷底』 (1914年、監督)
• - 『カチューシャ』 (1914年、監督)
• - 『毒草』 (1917年、監督)
• - 『金色夜叉』 (1918年、監督)
• - 『東京の春』 (1925年)
• - 『上海戦線四十哩』 (1932年、監督)

彼の作品は新劇から映画へと、新たな表現の場を求めて進化を続けた歴史的な証拠です。

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