桟橋通五丁目停留場

桟橋通五丁目停留場：高知の港町を彩る路面電車の終着駅

高知県高知市桟橋通五丁目に位置する桟橋通五丁目停留場は、とさでん交通桟橋線の終点停留場です。長い歴史を持つこの停留場は、高知の港町を象徴する存在として、現在も路面電車の運行を支えています。

歴史を刻む停留場

1905年（明治38年）、桟橋線（当時：潮江線）の延伸に伴い、「桟橋停留場」として開業しました。当初は現在の桟橋車庫前停留場が「桟橋停留場」を名乗っていたため、路線の終点であるこの停留場がその名称を引き継いだ形です。その後、1938年（昭和13年）に現在の「桟橋通五丁目停留場」へと改称されました。

特筆すべきは、かつて伊野線の伊野停留場から当停留場まで貨物列車が運行されていたことです。伊野町（現：いの町）で生産された土佐和紙などの製品輸送に利用され、地域の産業を支えていました。しかし、1945年（昭和20年）頃には貨物輸送が廃止されています。

1908年には折り返し用のループ線が設置されましたが、1947年には撤去されています。2009年には停留場の改良工事が実施され、バリアフリー化のための点字ブロック設置、ホームのかさ上げ、屋根と仕切り柵の設置などが行われ、より安全で快適な停留場へと生まれ変わりました。2014年には土佐電気鉄道が高知県交通・土佐電ドリームサービスと経営統合し、とさでん交通の発足に伴い、同社の停留場となりました。

停留場の構造

複線が単線に合流する終点部に位置する頭端式ホームを採用しています。東側に降車ホーム、西側に乗車ホームが配置され、降車ホームは車両の中扉と後扉がホームからはみ出す構造になっていません。終端部には乗務員用のトイレも設置されています。改良工事以前は、駅名標も簡素なもので、現在のような整備された姿とは大きく異なっていました。

かつては、当停留場から桟橋を通り岸壁通停留場へと続くループ線が貨物列車の折り返しに利用されていましたが、現在ではその姿を見ることはできません。

停留場周辺

停留場の東側には高知港の堤防があり、その向こうには海が広がります。多くの船舶が係留されている様子を垣間見ることができるものの、堤防の高さが電車の車体とほぼ同じ高さであるため、停留場からは海を直接眺めることはできません。周辺には港湾関連の建物、高知港湾合同庁舎（高知運輸支局、海上保安庁高知海上保安部）、そしてホームセンターなど、港町らしい施設が立ち並んでいます。周辺道路としては、高知県道34号桂浜はりまや線、高知県道366号高知港線が通っています。

アクセスと周辺情報

桟橋通五丁目停留場は、とさでん交通桟橋線の終点であり、桟橋車庫前停留場から南に位置します。高知港のすぐそばにあり、港湾関係の仕事に従事する人々や、高知港を訪れる観光客にとって重要なアクセス拠点となっています。周辺には、港湾施設、商業施設、そして行政機関などが集積しているため、多様なニーズに対応できる立地となっています。

まとめ

桟橋通五丁目停留場は、100年以上の歴史を持つ、高知市の港町を象徴する路面電車の停留場です。歴史的背景、停留場の構造、周辺環境、そして近年の改良工事など、様々な角度から見ていくことで、その魅力をより深く理解することができます。高知を訪れる際には、ぜひこの停留場を訪れて、歴史と現代が調和する港町の雰囲気を感じてみてください。

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