桧原城

概要

桧原城（ひばらじょう）は、福島県耶麻郡北塩原村に位置する戦国時代の山城です。別名を小谷山城とも呼ばれ、標高950mの山頂に築かれています。築城は1585年（天正13年）に、米沢城主であった伊達政宗によって行われました。現在、城跡には空堀、土塁、郭、虎口などの遺構が残っており、当時の姿を偲ぶことができます。

歴史

築城の背景

桧原城が築かれた場所は、当時、穴沢氏という土豪が支配していました。穴沢氏は会津領主の蘆名氏に従っており、この地域は伊達氏の領土と接する国境地帯でした。永禄年間には伊達輝宗が2度この地を攻めましたが、穴沢俊恒・俊光によって撃退されています。1584年（天正12年）11月（または1585年5月）、伊達氏の家督を継いだばかりの伊達政宗は、桧原峠から会津領に侵攻しました。穴沢氏は一族の裏切りもあり、伊達勢によって滅ぼされ、桧原は伊達氏の領土となりました。この時、築かれたのが桧原城です。

城の役割

桧原城は、1585年以降、伊達氏領と蘆名氏領の境界を監視する最前線の城となりました。城の南約5キロには蘆名氏の柏木城があり、両勢力の境界を監視するための重要な拠点でした。このような城は「境目の城」と呼ばれます。城番には伊達政宗の家臣である後藤信康が任命され、約4年間その任を務めました。政宗は信康に対して労をねぎらう書状を度々送っています。桧原地域は積雪が多く、また最前線ということもあり、蘆名勢の襲撃も頻繁にあり、境界監視の任務は非常に厳しいものでした。しかし、後藤信康は桧原城を堅守し、1589年（天正17年）の蘆名氏攻めの際には、原田宗時が桧原城から出撃して蘆名氏の後方を撹乱する役割を果たしました。

廃城

蘆名氏の滅亡に伴い、桧原城はその役割を終え、廃城になったと考えられています。

周辺

関連史跡

桧原城跡から桧原湖畔を西に進むと、穴沢一族の五輪塔が数基残っています。これらは伊達政宗の桧原攻めで滅んだ穴沢一族の供養のために建てられたものと考えられています。また、城跡近くには『会津米沢街道桧原歴史館』があり、穴沢氏や桧原城に関する資料が展示されています。

関連項目

日本の城一覧
裏磐梯（桧原地域は現在裏磐梯高原に属する）

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