梅丹本舗

株式会社梅丹本舗：沿革、製品、そして終焉

株式会社梅丹本舗は、和歌山県紀の川市に本社を置き、梅肉エキスを主成分とする健康食品の製造販売を手掛けていました。創業から長きにわたり、「梅丹」ブランドで親しまれてきましたが、2024年3月、小林製薬の紅麹問題の影響を受け、全商品の製造・販売を終了しました。本記事では、その歴史、主要製品、そして終焉に至る経緯を詳しく解説します。

創業と「梅丹」の誕生

梅丹本舗のルーツは、1925年に大阪で創業された「大自然食薬療法研究所」に遡ります。その後、「日本漢方薬品工業株式会社」を設立し、健康食品「梅丹」の販売を開始。梅の産地である和歌山県に工場を構え、一貫して国内製造にこだわってきました。

事業の拡大とイメージ戦略

1980年代には、テレビ番組のスポンサーを務め、イルカをイメージキャラクターに起用したCMを放送するなど、積極的にブランドイメージの向上を図りました。その後、一時的にイメージキャラクターを起用しない時期もありましたが、2013年には歌手の臼澤みさきを起用し、再びCM展開を行いました。

小林製薬の子会社化と紅麹問題

2019年、梅丹本舗は小林製薬の完全子会社となりました。自社製品の製造に加え、小林製薬の「紅麹」サプリメントの原料製造も請け負っていましたが、2024年3月に発覚した小林製薬の紅麹サプリメント問題を受け、厚生労働省の立ち入り検査を受ける事態となりました。この問題の影響により、同社は全商品の製造・販売を終了するという苦渋の決断を下しました。

主な製品

長年にわたり、様々な製品を製造・販売してきました。

梅丹UG/EG/SEG: 古式梅肉エキスをベースに、食物繊維や霊芝、高麗人参などを配合した粒状の健康食品。
古式梅肉エキス: 伝統的な製法で作られたペースト状の梅肉エキス。
梅酢: 梅の風味を活かした調味料。
スーパーアスリートシリーズ: 自転車ロードレース選手向けに開発されたサプリメント。

スポーツ界との関わり

梅丹本舗は、スポーツ界との関わりも深く、サイクルロードレースチーム“エキップアサダ”のメインスポンサーを務めていました。また、日本自転車競技連盟とも公式スポンサー契約を締結していました。

しかし、2016年には、同社の製品から禁止薬物であるボルジオンが検出されたことが判明し、日本自転車競技連盟から注意喚起を受ける事態となりました。同社は、アスリートへの供給を中止する措置を取りました。

小林製薬との連携と終焉

小林製薬の子会社となった後、2022年からは「古式梅肉エキス」や「梅丹UG」を、小林製薬ブランドで北海道限定販売を開始しました。

しかし、2024年3月、紅麹問題の影響を受け、梅丹本舗は全商品の製造・販売を終了。長年の歴史に幕を閉じました。今後の動向は未定です。

まとめ

株式会社梅丹本舗は、梅肉エキスを使用した健康食品のパイオニアとして、日本の健康食品業界に貢献してきました。小林製薬の紅麹問題という予期せぬ事態により、その歴史に幕を閉じることとなりましたが、「梅丹」ブランドは、多くの人々の記憶に残ることでしょう。

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