梅村浩

梅村浩（うめむら ひろし、1944年12月19日 - 2019年3月8日）は、日本の著名な数学者であり、代数幾何学の分野で多大な貢献をしました。名古屋大学大学院多元数理科学研究科の教授を長年務め、退官後は同大学の名誉教授となりました。愛知県名古屋市出身。

専門は代数幾何学であり、特に微分方程式のガロア理論研究に力を注ぎました。中でも、パンルヴェ方程式の代数的構造を明らかにしたこと、そしてガロア体のピカール・ヴェッシオ理論に対して代数幾何的な基礎付けを行ったことは、彼の業績の中でも特筆されるものです。これらの研究は、数学界に大きな影響を与えました。


1998年には、その卓越した業績が認められ、日本数学会の代数学賞を受賞しました。また、長年の教育・研究活動に対する貢献が評価され、瑞宝中綬章が追贈され、叙正四位に叙されました。


経歴

1967年 名古屋大学理学部数学科卒業
1969年 名古屋大学理学研究科数学修士課程修了
1970年 ストラスブール大学理学部数学科（フランス政府給費留学生）
1971年 Institut des Hautes Études Scientifiques研究員
1973年 理学博士号取得（名古屋大学）
1977年 ストラスブール大学理学部数学科客員教授
1983年 ストラスブール大学理学部客員教授
1986年 三重大学教育学部教授
1988年 熊本大学理学部教授
1992年 名古屋大学教養部教授
1993年 名古屋大学理学部教授
1995年 名古屋大学大学院多元数理科学研究科教授
2008年 名古屋大学大学院多元数理科学研究科 退職 / 退職記念講義「射影極限と帰納極限」


著書

1983年 Minimal rational threefolds
1984年 Resolution of algebraic equations by theta constants
1985年 On the maximal connected algebrair subgroups of the Cremona group II
1986年 Algebro-geometric proflems arising from Painleve's works
1998年 On the irreducibility of the first differential equation of Painleve
* 2000年 『楕円関数論 - 楕円曲線の解析学』東京大学出版会


梅村浩は、その研究活動を通じて、代数幾何学の発展に大きく貢献しただけでなく、後進の育成にも尽力しました。彼の業績と精神は、これからも数学界に受け継がれていくことでしょう。

理の先端をいく「眠りから覚めた微分ガロア理論」梅村 浩 (PDF, 3.7MB) pp.14-15 名古屋大学理学部・大学院理学研究科広報誌『理フィロソフィア』2006年4月

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