梅田佳声

梅田佳声 (うめだ かせい)

梅田佳声は、1928年6月12日に東京都中央区に生まれ、本名は梅田義彦です。彼は紙芝居師として知られ、独特の江戸弁による語り口と自身の脚色によって、紙芝居の魅力を広めた人物です。

来歴

梅田は1948年、長谷川一夫が主宰する新演伎座演技研究所に入所します。その後、梅田弘の芸名で活動を開始し、多摩川園歌劇団やデン助劇団で舞台に立つこととなりました。また、漫才師としても多岐にわたって活躍し、様々なパフォーマンスを定評を得て展開しました。しかし、ろく膜炎を患ったことから一時的に芸能界を引退し、印刷会社に勤務することとなりました。

1981年、台東区立下町風俗資料館で見かけた紙芝居用の自転車がきっかけとなり、定年後は毎月第1と第3日曜日に同資料館で紙芝居を実演するようになりました。この活動は、彼の情熱と紙芝居への愛情を再燃させるものでした。

1993年には、計600枚の画を使った怪談仕立ての長編紙芝居「猫三味線」を入手。1996年にはお江戸日本橋亭で2日間にわたり全巻通しで演じ、その作品は2006年にはDVD化されるほどの注目を集めました。

2015年8月27日、梅田はその生涯を閉じました。

弟子について

梅田は「自分が師匠について学んだ芸ではないから」との理由から、正式に弟子を持つことはありませんでしたが、落語家の快楽亭ブラック（2代目）が一時期弟子入りをしたとされています。

CD・DVDなど

彼の活動は多くのメディアで記録されています。CDとしては『日本の大道芸~紙芝居屋さんの一日』や『日本の大道芸~紙芝居のすべて』、また『聴いて得する日本の大衆芸(1)~ストリート・パフォーマンス』があり、他の多くのパフォーマーとともに彼の語りが収録されています。

さらに、DVD『猫三味線』は彼の主要な作品として評価されており、唐沢俊一が脚本・演出・総監督を務めました。

出演番組

梅田はまた、いくつかのテレビ番組にも出演しています。例えば、TBSラジオの「唐沢俊一のポケット」やNHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」39回『消えた紙芝居』、新・半七捕物帳の「槍突き」などで活躍しました。

総括

梅田佳声は、ただの紙芝居師ではなく、伝統的な物語芸能の継承者として、また江戸文化のファンを増やした立役者として評価されるべき存在です。彼の活動は、紙芝居というジャンルに新しい風を吹き込み、その魅力を次世代に伝える重要な役割を果たしました。

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