梅龍寺

梅龍寺（ばいりゅうじ）

岐阜県関市、梅龍寺山の西麓に位置する梅龍寺は、臨済宗妙心寺派に属する寺院で、大雲山と号します。中濃八十八ヶ所霊場の第一番札所として知られています。

歴史

梅龍寺は、文明11年（1479年）に妙心寺龍泉派の開祖である景川宗隆（けいせんそうりゅう）を開山として迎え、その法を継承した春江紹蓓（しゅんこうしょうばい）によって開かれました。その後、五世の秀材玄俊（しゅうさいげんしゅん）は妙心寺の二十八世、七世の蘭晼玄秀（らんがんげんしゅう）は妙心寺の四十七世となっています。

天文年間に戦火に巻き込まれ、伽藍が焼失するという憂き目に遭いましたが、永禄元年（1558年）に天猷玄晃（てんゆうげんこう）によって中興されました。この中興には、刀工として知られる孫六兼元（まごろくかねもと）をはじめとする関の有力者たちが尽力したと伝えられています。また、中興に尽力した天猷玄晃は、後に妙心寺の六十四世に出世しています。

当時、斎藤義龍が美濃国の妙心寺派寺院を自身の帰依する別伝によって統制しようとした際（別伝の乱、または伝灯寺事件）、天猷玄晃は快川紹喜（かいせんじょうき）らとともにこれに抵抗しました。さらに、九世の夬雲玄孚（けつうんげんぷ）は妙心寺の百九世となり、苗木藩主の菩提寺である雲林寺の開山も務めました。

梅龍寺は、その後も武儀郡や加茂郡の妙心寺派寺院において高い地位を占め、天明7年（1787年）には14の末寺を擁するほどになりました。寺には多くの古文書が寺宝として保管されており、当時の歴史を知る上で貴重な資料となっています。

その他、境内には、刀工である孫六兼元の一門の墓や、曽代用水の開発に貢献した喜田吉右衛門（きだよしえもん）の墓など、地域に貢献した人々の墓も存在しています。

梅龍寺は、その長い歴史の中で、地域の信仰の中心として、また文化的な拠点として、重要な役割を果たしてきました。

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