梨木神社

梨木神社

梨木神社は、京都市上京区に位置する神社で、旧社格は別格官幣社です。この神社は、明治維新に大きな功績を残した三條實萬公と三條實美公の父子を祭神としています。また、境内には約500株もの萩が植えられており、その美しさから「萩の宮」とも呼ばれ、多くの人々に親しまれています。

歴史

梨木神社の歴史は、久邇宮朝彦親王の命により、三條家の邸宅跡に三條實萬公を祀る社殿が造営されたことに始まります。1885年（明治18年）10月10日、この地名にちなんで梨木神社と命名され、別格官幣社に列せられました。その後、1915年（大正4年）には、大正天皇の即位を記念して、子の三條實美公も合祀されました。この地は、平安時代には藤原良房の娘である染殿后の里御所・染殿第があった場所としても知られています。

1948年（昭和23年）には、神社本庁の別表神社に加えられました。しかし、1977年には反君主制主義者による爆破事件（梨木神社爆破事件）が発生し、社殿が大きな被害を受けました。その後、社殿の修復資金の調達に苦慮していた2013年（平成25年）には、境内の参道を含む土地をマンション開発業者に60年の定期借地権で貸し出すことになりました。その賃貸料を修復費用に充てる計画でしたが、神社本庁の承認が得られなかったため、神社本庁から離脱し、単立神社となりました。これにより、別表神社の列からは外れることとなりました。神社本庁の別表神社が離脱したのは、気多大社以来のこととなります。

祭神

主祭神：三條實萬公、三條實美公

境内

梨木神社の境内には、以下のような施設があります。

本殿
中門
拝殿
神門
歌碑：上田秋成、湯川秀樹の歌碑があります。
愛の木：ハート形に見える桂の葉が特徴の木です。
天壌無窮の石碑：三條實萬公が祈念していた言葉が刻まれています。
茶室：旧春興殿、虚中庵があります。
社務所
染井の水：境内の井戸から湧き出る水で、京都三名水の一つとされ、唯一現存しています。飲料も可能です。藤原良房の館にあった頃から染物に使われていました。

祭礼

梨木神社では、年間を通じて様々な祭礼が行われています。

毎月1日・15日：月次祭
1月最終日曜(又は2月第一日曜)：元服式
4月18日：春季例祭
9月中旬-下旬：萩祭り
10月10日：秋季例祭
10月最終日曜：七五三

アクセス

京都市バス、京都バス：「府立医大病院前」停留所下車徒歩1分

関連図書

二六興信所編纂、山田米吉編『勤王事蹟別格官幣社精史』74〜77頁、二六興信所、1935年
安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年、43頁
白井永二・土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年、256頁

脚注

関連項目

梨木神社爆破事件

外部リンク

公式ウェブサイト
梨木神社 - 京都観光Navi
* 梨木神社 - TripAdvisor

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