梶井義承

義承（ぎしょう）は、室町時代に生きた僧であり、梶井義承（かじい ぎしょう）とも呼ばれます。彼は、室町幕府第3代将軍である足利義満の息子として生まれました。母は側室の藤原誠子で、第4代将軍・足利義持と第6代将軍・足利義教とは異母兄弟にあたります。

生涯

義承は、応永19年（1412年）3月に梶井門跡に入室し、僧としての道を歩み始めました。第4代将軍であった異母兄の足利義持が亡くなると、義承は、他の兄弟である義円（後の足利義教）、大覚寺義昭、相国寺永隆とともに、義持の後継者候補の一人として名前が挙がりました。

永享7年（1435年）には、天台座主という高位に就任しました。しかし、嘉吉元年（1441年）6月に起こった嘉吉の乱で、異母兄の将軍・足利義教が亡くなると、幕府は義承が赤松満祐などの野心家によって擁立されることを警戒し、他の兄弟である尊満らと共に鹿苑院に身柄を移しました。その後、義教の跡を継いだ将軍・足利義勝が幼少であったため、幕府は義承をその後見人として擁立しましたが、8月には准三后の宣下を受けて門跡に復帰しました。

応仁元年（1467年）に勃発した応仁の乱の際には、戦乱を避けるため大原の来迎院に移り住みましたが、その年の10月18日に62歳で生涯を閉じました。

義承の生母である藤原誠子は、もともと義満の同母弟である足利満詮の正室でしたが、後に義満の側室となり、義承を産みました。そのため、満詮と誠子の子である地蔵院持円らは、義承にとって異父兄弟にあたります。

人物

義承は、室町幕府の将軍家という非常に高い身分に生まれながらも、出家し僧侶としての道を歩みました。政治的な混乱期にも、その立場を利用しようとする動きに対しては、慎重に対応し、最終的には自らの意思で門跡に戻っています。応仁の乱という大きな戦乱を経験しながらも、静かにその生涯を閉じた人物として歴史に名を残しています。

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