棒二森屋

棒二森屋の概要と歴史

棒二森屋（ぼうにもりや）は、北海道函館市若松町の函館駅前にかつて存在した百貨店で、その歴史は約150年に及びます。この店は、1863年に設立された「金森森屋百貨店」と1882年に設立された「棒二荻野呉服店」にルーツを持ちます。

歴史の始まり

金森森屋

初代渡辺熊四郎が1869年に北海道初の洋品店「金森森屋洋物店」を開業したことが発端です。そして、1925年には「金森森屋百貨店」として新店舗が開業されました。その外観には、特長的な時計台が設置され、多くの市民に親しまれました。

棒二荻野商店

これに対し、1882年に荻野儀平が開いた「棒二荻野商店」は、呉服を扱う商店として始まり、1931年には本格的に百貨店としての機能を持つようになりました。これによって、函館市内に新たな商業文化が芽生えました。

合併と発展

1936年、両店は合併し、「株式会社棒二森屋」として新たなスタートを切りました。その後、1937年に現在の若松町に新しい5階建ての店舗を開業し、函館駅前の発展に寄与しました。この成功は、1965年には売上高が26.9億円に達し、地域の一番店としての地位を確立しました。

競争の激化

1960年代から1970年代にかけて、他の百貨店との競争が激化し、特にイトーヨーカ堂や長崎屋などの本州資本による進出が地元経済に影響を及ぼしました。そのため、棒二森屋も様々な経営改革を行い、1981年にはダイエーと業務提携を結ぶなどして競争に立ち向かいました。

経営母体の変化

1980年代後半以降、経営が厳しくなると、他の企業との合併や提携が進みました。ダイエー傘下となった後、1994年に営業権をアドバンスド・デパートメントストアーズ・オブ・ジャパン（ADS）に譲渡し、運営会社は解散しました。その後、棒二森屋は「中合 棒二森屋」に改称され、地域経済に根ざした店舗運営を続けました。

閉店とその後

2017年には閉店の危機が報じられ、2019年1月31日に正式に閉店となりました。函館市民に愛されたこの百貨店の閉店セレモニーには多くの人々が集まり、感慨深い瞬間を共有しました。

閉店後も跡地の活用計画が進められ、商業施設やシティホテルの建設が予定されています。これにより、新たな函館のランドマークとなることを期待しています。

新たな展望

旧棒二森屋跡地上には、医薬品や土産品を販売する商業施設や高層マンション、シティホテルが建設される計画が持たれています。その一部には、かつての棒二森屋を思わせるデザインが施されるとのことで、月日が経っても函館の文化の息吹を感じ続けることができそうです。

棒二森屋の長い歴史は、函館市民の生活に深く根ざしたものであり、今後の発展が楽しみです。

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