森下真樹
森下 真樹（もりした まき）は、1975年生まれの振付家・ダンサーです。10カ国30都市を超える場所で自身のソロ作品を上演するなど、国内外で広く活動しています。
幼少期は転勤が多く、各地を転々としながら育ちました。新しい環境で早く友人を作るため、様々な独自の遊びを生み出した経験が、現在のダンスのルーツとなっていると言います。高校では創作ダンス部に、大学ではモダンダンス部に所属し、ダンスの基礎を築きました。大学卒業後は生命保険会社に勤務しながら、複数のダンスカンパニーに参加し、ダンサーとしてのキャリアを積みました。海外公演への参加が増え、会社勤務との両立が難しくなったことから退職し、2003年に満を持してソロ活動を開始しました。
森下氏の作品の特徴は、100人いれば100通りの個性があるという「100人100様」をモットーとした、個々の内面を引き出すような表現です。周囲を一気に巻き込むようなエネルギーを持ち、予測不能な「間」から生まれる奇想天外な動きで、ユニークかつパワフルな世界観を創り出します。活動はダンスの枠にとどまらず、演劇、音楽、美術、漫画など、様々な分野のアーティストとのジャンルを超えたコラボレーションを積極的に行っています。
代表作の一つに、現代美術家・束芋との共作『錆からでた実』があります。2013年に初演され、翌年には第8回日本ダンスフォーラム賞を受賞。2016年には束芋ディレクションによる映像版も発表されました。2020年には“Fruits borne out of rust”としてアメリカ4都市でのツアーを成功させ、高い評価を得ました。
また、ライフワークとして取り組んでいるのが「ベートーヴェン交響曲第5番『運命』全楽章を踊る」シリーズです。2017年に自ら企画・発表したこの作品では、各楽章の振付をMIKIKO（演出振付家）、森山未來（俳優・ダンサー）、石川直樹（写真家）、笠井叡（舞踏家・振付家）という異分野で活躍するアーティストがそれぞれ担当し、森下氏がソロで踊るというユニークな形式をとっています。その後も、リスト編曲によるピアノ版（ピアノ：今西泰彦）との1対1での挑戦や、日本フィルハーモニー交響楽団との共演など、様々な形で展開されています。さらに、劇場空間にとどまらず、八戸の田んぼや知床の流氷の上など、あらゆる場所をステージとして果敢に上演しています。
2019年には、主宰するダンスカンパニー「森下スタンド」として、森下氏のソロ作品である『運命』とは対照的に、群舞による「ベートーヴェン交響曲第９番全楽章を踊る」を発表。その圧倒的なダンスは「花火が大きく花開くかのような祝祭の時間」と評され、観客に驚きと感動をもたらしました。2021年には、日本で初めて第九が演奏された地とされる徳島にて、連弾ピアノと合唱付き弦楽オーケストラ「モノクロオーケストラ」と共演しました。ベートーヴェンの全交響曲に振付を付けるまでは死ねない、と語るほど、その創作意欲は尽きることがありません。
ダンサーとしては、黒沢美香、笠井叡といった著名な振付家の作品や、インバル・ピント＆アブシャロム・ポラック演出の舞台『100万回生きたねこ』など、多くの舞台に出演しています。演劇分野では、長塚圭史やノゾエ征爾演出作品の振付を手がけ、特に700人を超える高齢者グループ「さいたまゴールド・アーツ・クラブ」への振付は大きな注目を集めました。
音楽との関わりも深く、yanokami（矢野顕子×レイ・ハラカミ）のライブにダンサーとしてゲスト出演したほか、音楽家・粟津裕介と音楽ユニット「locolo code」を結成し、ボーカルも務めています。locolo codeのオリジナル曲は、坂本龍一氏に絶賛されたこともあります。また、吉澤嘉代子の楽曲「ミューズ」のミュージックビデオでは振付を担当しました。その他にも、満島ひかりや玉井夕海との清水寺でのコラボレーション、漫画家しりあがり寿や作家大宮エリーといった多様な分野のアーティストとの協働を通じて、活動の領域を広げています。
地域に滞在し、その土地ならではの特性や人々の個性を活かした作品づくりを得意としており、各地で「うずうず音頭」を作る活動も展開しています。ダンスの普及・育成にも力を入れており、（財）地域創造公共ホール現代ダンス活性化事業支援登録アーティストとして、「100人いれば100通りの顔や性格があるようにダンスがある！」をモットーに、子どもから高齢者まで幅広い世代に向けたワークショップを開催しています。「ダンスとの楽しくて幸せな出会いの場」を創り出すことを自身の使命として活動を続けています。コロナ禍においては、現場でのエネルギー共有の尊さを再認識しつつも、困難な状況下での新たな発想や価値創造の可能性も知ったと語っており、その経験を糧にさらなる探求を続けています。
幼少期は転勤が多く、各地を転々としながら育ちました。新しい環境で早く友人を作るため、様々な独自の遊びを生み出した経験が、現在のダンスのルーツとなっていると言います。高校では創作ダンス部に、大学ではモダンダンス部に所属し、ダンスの基礎を築きました。大学卒業後は生命保険会社に勤務しながら、複数のダンスカンパニーに参加し、ダンサーとしてのキャリアを積みました。海外公演への参加が増え、会社勤務との両立が難しくなったことから退職し、2003年に満を持してソロ活動を開始しました。
森下氏の作品の特徴は、100人いれば100通りの個性があるという「100人100様」をモットーとした、個々の内面を引き出すような表現です。周囲を一気に巻き込むようなエネルギーを持ち、予測不能な「間」から生まれる奇想天外な動きで、ユニークかつパワフルな世界観を創り出します。活動はダンスの枠にとどまらず、演劇、音楽、美術、漫画など、様々な分野のアーティストとのジャンルを超えたコラボレーションを積極的に行っています。
代表作の一つに、現代美術家・束芋との共作『錆からでた実』があります。2013年に初演され、翌年には第8回日本ダンスフォーラム賞を受賞。2016年には束芋ディレクションによる映像版も発表されました。2020年には“Fruits borne out of rust”としてアメリカ4都市でのツアーを成功させ、高い評価を得ました。
また、ライフワークとして取り組んでいるのが「ベートーヴェン交響曲第5番『運命』全楽章を踊る」シリーズです。2017年に自ら企画・発表したこの作品では、各楽章の振付をMIKIKO（演出振付家）、森山未來（俳優・ダンサー）、石川直樹（写真家）、笠井叡（舞踏家・振付家）という異分野で活躍するアーティストがそれぞれ担当し、森下氏がソロで踊るというユニークな形式をとっています。その後も、リスト編曲によるピアノ版（ピアノ：今西泰彦）との1対1での挑戦や、日本フィルハーモニー交響楽団との共演など、様々な形で展開されています。さらに、劇場空間にとどまらず、八戸の田んぼや知床の流氷の上など、あらゆる場所をステージとして果敢に上演しています。
2019年には、主宰するダンスカンパニー「森下スタンド」として、森下氏のソロ作品である『運命』とは対照的に、群舞による「ベートーヴェン交響曲第９番全楽章を踊る」を発表。その圧倒的なダンスは「花火が大きく花開くかのような祝祭の時間」と評され、観客に驚きと感動をもたらしました。2021年には、日本で初めて第九が演奏された地とされる徳島にて、連弾ピアノと合唱付き弦楽オーケストラ「モノクロオーケストラ」と共演しました。ベートーヴェンの全交響曲に振付を付けるまでは死ねない、と語るほど、その創作意欲は尽きることがありません。
ダンサーとしては、黒沢美香、笠井叡といった著名な振付家の作品や、インバル・ピント＆アブシャロム・ポラック演出の舞台『100万回生きたねこ』など、多くの舞台に出演しています。演劇分野では、長塚圭史やノゾエ征爾演出作品の振付を手がけ、特に700人を超える高齢者グループ「さいたまゴールド・アーツ・クラブ」への振付は大きな注目を集めました。
音楽との関わりも深く、yanokami（矢野顕子×レイ・ハラカミ）のライブにダンサーとしてゲスト出演したほか、音楽家・粟津裕介と音楽ユニット「locolo code」を結成し、ボーカルも務めています。locolo codeのオリジナル曲は、坂本龍一氏に絶賛されたこともあります。また、吉澤嘉代子の楽曲「ミューズ」のミュージックビデオでは振付を担当しました。その他にも、満島ひかりや玉井夕海との清水寺でのコラボレーション、漫画家しりあがり寿や作家大宮エリーといった多様な分野のアーティストとの協働を通じて、活動の領域を広げています。
地域に滞在し、その土地ならではの特性や人々の個性を活かした作品づくりを得意としており、各地で「うずうず音頭」を作る活動も展開しています。ダンスの普及・育成にも力を入れており、（財）地域創造公共ホール現代ダンス活性化事業支援登録アーティストとして、「100人いれば100通りの顔や性格があるようにダンスがある！」をモットーに、子どもから高齢者まで幅広い世代に向けたワークショップを開催しています。「ダンスとの楽しくて幸せな出会いの場」を創り出すことを自身の使命として活動を続けています。コロナ禍においては、現場でのエネルギー共有の尊さを再認識しつつも、困難な状況下での新たな発想や価値創造の可能性も知ったと語っており、その経験を糧にさらなる探求を続けています。
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