森山としはる

森山としはる

日本の作詞家、森山としはる氏は、1960年代から1970年代にかけて、歌謡曲の世界で多くの楽曲の詞を手がけました。

人物と経歴

森山氏が作詞家としてのキャリアをスタートさせたのは、1964年（昭和39年）のことです。この年、中尾渉氏の歌唱によるシングル曲『初恋ながし』の作詞を担当し、これが作詞家デビュー作となりました。特筆すべきは、この『初恋ながし』が、同年9月8日に東京・日比谷公会堂で行われた第15回「コロムビア全国歌謡コンクール」全国決勝大会にて、当時16歳であった後の国民的歌手、五木ひろし氏が埼玉県代表として出場し、優勝を果たした際に歌った楽曲であるという点です。

五木氏は翌年に「松山まさる」の芸名で本格的なプロデビューを果たしますが、森山氏がデビュー後の五木氏に詞を提供することは一度もありませんでした。

また、同じ1964年の8月20日には、前年の第14回コンクールで優勝し、既にデビューしていた都はるみ氏のセカンドシングルの制作にも関わっています。このシングル『てれちゃう渡り鳥』では、A面曲の『てれちゃう渡り鳥』とB面曲の『純情なんよ』の両方の作詞を手がけました。

森山氏は作品を生み出すにあたり、複数の著名な作曲家たちと協力しました。共に楽曲を制作した作曲家としては、市川昭介氏、彩木雅夫氏、平田満氏らの名前が挙げられます。

しかしながら、森山氏の作詞活動に関する公的な記録は、1974年（昭和49年）8月にリリースされた原みつるとシャネル・ファイブの楽曲『くやし泣き』を最後に途絶えているようです。日本音楽著作権協会（JASRAC）などに登録されている作詞作品を見ても、これ以降の楽曲は確認されていません。このため、1974年以降、現在に至るまでの森山氏の活動状況や消息については不明となっています。

主な作詞作品（ディスコグラフィより）

森山としはる氏が作詞を手がけた主なシングル曲の一部を以下に挙げます。

• - 中尾渉『初恋ながし』 （作曲：内藤貞夫、日本コロムビア、1964年）
• - 都はるみ『てれちゃう渡り鳥』 / 『純情なんよ』 （作曲・編曲：市川昭介、日本コロムビア、1964年8月20日）
• - 三条魔子『恋やつれ』 / 『シルバーフィズの夢』 （作曲：山路進一、大映レコード、1968年8月）
• - 若原一郎『飛んでけ飛んでけ』 （作曲：吉田矢健治、キングレコード、1969年1月）
• - 佐々木新一『花っ娘嫁ッこ』 （作曲：林伊佐緒、キングレコード、1969年8月）
• - 小室勝子『夜の伊東で』 （作曲：南条健、大映レコード、1969年9月）
• - 平川幸夫『泣きべそころりん』(作曲：川上英一、キングレコード、1970年8月)
• - 三橋美智也『涙そこどけ演歌が通る』 （作曲：川上英一、キングレコード、1971年1月） - 『さけ・うた・おんな』のB面
• - 来栖杏奈『刺青志願（いれずみしがん）』 （作曲：水城一狼、キングレコード、1972年11月10日）
• - 都はるみ『新宿ながれ唄』（作曲：彩木雅夫、編曲：小谷充、日本コロムビア、1973年7月10日）
• - 殿さまキングス『無情の雨』 （作曲：彩木雅夫、ビクター音楽産業、1973年） - 『北の宿』のB面
• - 原みつるとシャネル・ファイブ『ハッキリ小唄』 （作詞・作曲：平田満、補詞：森山としはる、キングレコード、1973年）
• - 原みつるとシャネル・ファイブ『すすきの情話』　(作曲：平田満、キングレコード、1973年）
• - 葉子とクリケット『涙のしずく』 （作曲：彩木雅夫、テイチクレコード、1974年1月） - 『港灯り』のB面
• - 原みつるとシャネル・ファイブ『くやし泣き』 （作曲：平田満、キングレコード、1974年8月）

関連事項

森山としはる氏の活動に関連する人物やグループには、都はるみ氏、原みつるとシャネル・ファイブ、作曲家の彩木雅夫氏などがいます。

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